目 次
CPUとは?基本的な知識を解説
CPUはパソコンの「頭脳」と表現されることもある、非常に重要なパーツです。実際、パソコンの性能の大部分をCPUが担っており、高性能CPUを搭載したパソコン=高性能なパソコンともいえます。そんなCPUについて、基本的なことから分かりやすく解説します。
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CPUの定義
CPUとは「Central Processing Unit(セントラル・プロセッシング・ユニット)」の略で、日本語では「中央演算処理装置」と訳されます。データの処理やメモリーなどの機器を制御する半導体をプロセッサーといい、CPUはその中心となる役割を担います。ソフトウエアの操作や文字の入力などパソコンで行われる全てが、CPUに管理・制御されているのです。そのため、CPUの性能が高ければ高いほど、パソコンは快適に動作するようになります。
また、今のCPUの多くはGPU(映像処理専門のプロセッサー)など複数のプロセッサーを搭載しているため、そういったCPUのことをSoC(System-on-a-chip)とも呼びます。
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CPUはどんな役割をしている?
CPUはパソコンの動作全般を管理・制御しています。例えば、キーボードで文字を入力したり、マウスを動かしたりすると、その情報を受け取って、パソコンに「どう動くべきか」を指示するのがCPUです。また、Webサイトへアクセスしてページを表示する、動画を再生する、ソフトウエアを動かすといった作業も、全てCPUが中心になって処理を行っています。
他にもパソコンにはメモリーやストレージといったパーツがあり、それぞれが役割を果たすためにCPUが司令塔となって全体を制御する必要があります。これらのパーツが効率的に動作するためにも、CPUには高い性能が必要なのです。
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主要なCPUメーカー
パソコンで使われているCPUは、さまざまなメーカーが開発・製造しています。CPUメーカーごとに特徴があり、パソコンを購入する時はそれぞれの違いを意識することが大切です。特に有名なメーカーを中心に紹介します。
● インテル(Intel)
インテル(Intel)は世界を代表する、アメリカのCPUメーカーです。インテルのCPUは、長年にわたってパソコン市場で高いシェアを誇り、今でも定番のCPUとして多くのパソコンに採用されています。特に一般ユーザー向けの「Core」シリーズは、ビジネス、ゲーミング、クリエイティブなど幅広い用途で支持されています。CPUだけでなくグラフィックボード市場へも新規参入し、「Intel Arc」シリーズの発表は多くの注目を集めました。
AIに対応した「Core Ultra」シリーズが登場するなど、インテルのCPUメーカーとしての地位は揺るがないものとなっています。しかし、競合他社の成長も著しく、製造技術の遅れが指摘されています。
● AMD
AMDは正式な社名をAdvanced Micro Devices(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)というアメリカの企業で、CPUだけでなくGPUの開発も手がけています。インテルと互換性のあるCPUを安価に提供することでAMDはシェアを伸ばし、今は独自規格のCPUをリリースしてインテルに対抗するほどの企業になりました。
代表的なCPUには「Ryzen(ライゼン)」があり、価格や性能に優れていると高い評価を得ています。AIに対応したCPUには「Ryzen AI」シリーズ、GPUには「Radeon」シリーズがあります。製造は外部企業が行い、AMDは研究・開発を専門としていることも特徴のひとつです。
● Qualcomm(クアルコム)
Qualcomm(クアルコム)は、半導体や通信機器の研究・開発を行うアメリカの企業です。CPUの開発では、スマートフォン向けの「Snapdragon(スナップドラゴン)」シリーズで知られています。AMDと同様にQualcommは研究・開発を行い、外部企業が製造を担っています。
これまでパソコンのCPUメーカーは、インテルとAMDが大半を占めていましたが、QualcommがAIの処理能力を強化したSnapdragon X Eliteをリリースして注目を集めました。Qualcommの参入によってパソコンのCPU市場の多様化が進み、新しい選択肢が増えていくでしょう。
● その他のCPUメーカー
CPUはWindowsのパソコン以外にも使われており、AppleのMacintosh(Mac)では自社開発のCPU「Appleシリコン」を採用しています。高い性能と省電力性から高い評価を得ており、最新のCPUはM4です。iPhoneで採用されているCPU(正確にはSoC)も自社開発でA18が最新です。
iPhone以外のAndroidなどのスマートフォンでは、Qualcomm のSnapdragon、Samsung(サムソン)の「Exynos(エクシノス)」、MediaTek(メディアテック)の「Dimensity(ディメンシティ)」などが使われています。
CPUというとWindowsのパソコンばかりが注目されがちですが、このように多くのCPUブランドがあり、技術開発にしのぎを削っています。
CPUの性能を決めるポイント
CPUの性能は「速さ」で表現されることが多いのですが、その速さを構成するポイントはいくつもあり、単純ではありません。どのようなポイントが、CPUの性能を決めているのか解説します。
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クロック数(Hz)
CPUのスペックを見ると、クロック数を記載していることが一般的です。これはCPUの性能の大部分をクロック数があらわしているためです。クロック数とはCPUが1秒間に何回命令を処理できるかをあらわす数字で、「Hz(ヘルツ)」という単位で示されます。
例えば、「3GHz(ギガヘルツ)」と書かれている場合、1秒間に30億回の処理タイミングがあることを意味します。クロック数が高いほどCPUは短い時間で多くの処理をこなせるため、基本的に処理速度が速いと考えられます。ただし、クロック数が高いほど性能が優れているとは限りません。単純にクロック数だけで性能を比較するのは注意が必要です。
ちなみに、設定を変更してCPUのクロック数を上げることを、オーバークロックといいます。オーバークロックは規定のクロック数以上の処理を行わせるため、故障の原因となることがあります。
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コア数とスレッド数
コア数とスレッド数も、CPUの性能をあらわす重要なポイントです。コアはCPU内部にあり、命令の処理を行う装置のことをいいます。ひとつのCPUに複数のコアが搭載されている場合、それぞれのコアが同時に別々の作業を進められるため、全体の処理能力が向上します。例えば、4コアのCPUなら、4つの作業を並行して進めるのです。
スレッドはCPUが同時に処理できる命令のことで、1コア2スレッドなら2つの命令を同時に処理できることになります。負荷の低い作業をしているコアには余裕があるため、その余裕を利用して別の作業も同時に行うのです。4コア8スレッドのCPUであれば、最大で8つの作業を同時に行えることになります。クロック数が高いだけのCPUより、コア数とスレッド数が多いCPUの方が効率が良いため、速く処理を行えます。
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キャッシュ
キャッシュとは、CPU内部にあるデータの一時的な保管場所のことです。CPUが作業を行う時はたくさんのデータを必要としますが、その度にメモリーからデータを取りに行くと時間がかかってしまいます。そこで、よく使うデータをすぐ近くに置く、キャッシュが役に立つのです。
キャッシュは容量が大きいほど多くのデータを保存できるため、CPUは効率よく作業を進められます。キャッシュにはL1、L2、L3といった種類があり、数値が小さいL1キャッシュが最も高速です。
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CPUの世代とは
CPUの世代とは、設計や性能が進化した区切りを指す言葉です。例えば、インテルの「Core i5」という名前だけを見ると同じCPUのように見えますが、第10世代と第13世代では性能や機能が大きく異なります。CPUの世代が新しくなる度に、処理速度が速くなったり、省電力性能が向上したり、新しい技術に対応したりと、さまざまな進化が加えられています。新しい規格の高速なメモリーに対応するなど、処理速度以外の変化もあるため、CPUを選ぶ時は注意しましょう。
基本的に世代の新しいCPUは性能と機能が向上しているものの、1世代程度の違いだと性能差をほとんど感じられないこともあります。そのため、価格差が大きいようであれば、あえて1世代前のCPUを選ぶという選択をするのも良いでしょう。
ただし、インテルとAMDはCPUの名称のルールが変わり、世代によるCPUの区分は徐々にされなくなっていくと考えられます。
AI時代のCPUとは
ビジネスにも積極的に採り入れられるようになり、AIの重要性は増す一方となっています。これまでのCPUは処理能力の高さを重視されていましたが、今はAIへの対応も求められる時代になっています。AI時代のCPUを詳しく解説します。
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生成AIがビジネスや生活を変える
ChatGPTなどの生成AIの登場は、ビジネスや日常に大きな変化をもたらしています。時間のかかる作業だった文書の作成や画像の作成、データ分析などがAIによって瞬時に行えるようになったのです。しかも、エンジニアのような専門職ではなく、一般の人たちでも使えるようになっています。これにより、メール文面の作成をAIに任せたり、商品の広告画像をAIが自動で作ったりと、さまざまな場面で効率化が進んでいます。
また、ビジネスばかりでなく、ニュースの要約、撮影した写真の整理など日常でも生成AIは使われています。誰もが気軽に使えるようになったことで、今後はますますAIの重要さが増していくでしょう。
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重要なのはNPUの性能
AIを活用するには、高い並列処理性能が求められます。たとえば画像認識や音声解析といったAIの処理では、大量のデータを用いた複雑な計算が行われます。こうした処理の多くは、ニューラルネットワークと呼ばれる数学モデルによって実現されており、特に大規模なネットワークになると非常に多くの計算資源が必要になります。
CPUには複数のコアが搭載されており、ある程度のAI処理にも対応できますが、大規模なニューラルネットワークの計算を効率的に行うには十分とはいえません。そこで登場したのが、AI処理に特化したプロセッサーであるNPU(Neural Processing Unit)です。NPUは、AI特有の演算を高速かつ省エネルギーで実行できることが特徴です。
スマートフォンなどのAI対応デバイスでは、CPUやGPUと並んでNPUが搭載されている場合があり、これにより端末内でのリアルタイムなAI処理が可能になります。ただし、すべてのAI対応CPUにNPUが内蔵されているわけではなく、多くの場合、NPUはCPUとは別の専用チップなどの一部として構成されています。
今、インテルやAMD、Qualcommといったメーカーが、NPUを組み込んだCPUを続々とリリースしています。これにより、パソコンだけでAIを利用できるため、作業の効率化ができると期待されています。
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WindowsでAIが使えるCopilot+PC
Windowsでは「Copilot+PC」という、AIを活用できる新しいコンセプトが登場しました。Copilot+PCとは生成AIを活用できる機能を標準搭載したパソコンのことで、インターネットに接続することなく、パソコンに搭載しているCPUだけでAIを利用することが可能です。
Copilot+PCは基準を満たした、AI処理能力を持つCPUを搭載していることが条件となっています。
Copilot+PCの要件
NPU 40TOPSの処理能力を持つプロセッサー(1秒間に40兆回以上の演算能力) メモリー 16GB以上 ストレージ 256GB以上 条件を満たすCPUは次の通りです。
インテル Core Ultra 200Vシリーズ AMD Ryzen AI 300シリーズ Qualcomm Snapdragon X
Snapdragon X Plus
Snapdragon X Elite
知っておきたい最新のCPU事情
AIに対応したCPUが続々と登場するなど、わずか数年でCPUを巡る状況は大きく変化しています。今後のCPUはどのようになっていくのでしょうか。今のうちに知っておきたい、CPUの最新事情を紹介します。
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内蔵GPUの性能が大幅に向上
多くのCPUでは、グラフィック処理を専門的に行うGPUを搭載していることが一般的です。しかし、内蔵GPUに3Dゲームを遊べるほどの性能はなく、必要最低限の処理能力しかありませんでした。しかし今、内蔵GPUの性能が大きく向上しています。
特にAMDのRyzen 8000Gシリーズでは、内蔵GPUがエントリークラスのグラフィックスカードに匹敵するといわれており、コストパフォーマンスに優れた選択肢となっています。最新ゲームには性能不足ですが、カジュアルゲームを楽しむには十分でしょう。今後はさらなる性能向上が見込まれており、グラフィックボードを搭載することなく、ゲームを楽しめるようになるかもしれません。
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今注目を集めるNPU搭載CPU
ディープラーニングなどの大量のデータをもとにした分析でAIが注目を集めた時に、GPUの需要が急激に高まりました。GPUはCPUと違って大きなデータを一度に処理するのではなく、小さなデータを並行して処理する能力に優れていたためです。AIの活用には、CPUよりもGPUの方が適していたのです。結果として高性能なGPUが不足し、価格が急騰する事態となりました。
そこで登場したのが、AIの処理を専門的に処理するNPUです。CPUにNPUを内蔵する動きが加速しており、先行していたQualcommに続いてインテルとAMDもNPU搭載CPUをリリースしました。すでにエントリーモデルのCopilot+PCも登場しており、標準的にNPUが搭載される時代が近づきつつあります。
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Windowsの必要要件が変わる?
一部のメディアで「Windows11のシステム要件が緩和される」という報道がされました。Windows11のシステム要件では、インテルのCPUは第8世代以上相当である必要があります。しかし、未だにそれ以前のCPUを使用している人は少なからずおり、またWindows10のサポートが2025年10月14日で終了することもあって、Windows11のシステム要件が緩和されると考えられたのかもしれません。
しかし、Microsoftはこの報道を否定し、セキュリティの観点からシステム要件が緩和されることはないと明言しました。Windows10をまだ使用している人は、そろそろWindows11に対応するパソコンへの買い替えを検討した方が良いかもしれません。
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インテルのCPUの名称が変更に
インテルはCPUの名称のルールを変更し、Core i3、Core i5…という表記から、Core 3、Core 5…としました。さらに新しい名称のルールでは、「第〇世代」という表記ではなく、「シリーズ〇」になります。
Core Ultra 5 245KというCPUであれば、ブランドが「Core Ultra」、グレードが「5」、シリーズが「200」、モデル番号が「45」のCPUとなります。「K」はサフィックスといって、CPUの特徴を示します。しばらくは旧来の名称が混在するため、間違えないように注意しましょう。
【重要】CPU選びの基礎知識
パソコンを購入する時、どのCPUを選ぶかはとても重要なポイントです。CPUの性能によって、パソコン全体の作業効率が大きく変わるため、基本的な選び方を知っておくことが大切です。CPUを選ぶ時の基礎知識を解説します。
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グレードでCPUの性能が
だいたい分かるCPUの性能はグレードによって、だいたいの目安を知ることができます。例えば、インテルのCoreシリーズならCore i3、Core i5、Core i7、Core i9というように数字でグレードが分かれています。数字が大きくなるほど性能が高く、より負荷の高い作業にも対応できるようになります。AMDのRyzenも同様で、次のようにグレードが分かれます。
インテル AMD ハイグレード Core i7、Core i9 Ryzen 7、Ryzen 9 ミドルグレード Core i5 Ryzen 5 エントリーグレード Core i3 Ryzen 3 -
デスクトップパソコンと
ノートブック用のCPUの違い
デスクトップパソコン用とノートブック用のCPUは、同じ名前でも性能が少し異なります。デスクトップパソコン用のCPUは大きなケースに冷却装置を搭載できるため、より高い処理能力を発揮できるよう設計されています。
一方、ノートブック用のCPUは、携帯性を重視した省電力を重視した設計です。代わりにデスクトップパソコン用と比較して、同じグレードのCPUでも処理能力は控えめになっています。ただし、バッテリーの持ちが良く、発熱量を抑えられています。
例えば、Core i5という名前でも、デスクトップパソコン用とノートブック用ではクロック数やコア数などが異なり、処理能力に差があります。
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CPU選びではサフィックスが重要
サフィックスとは、CPUの型番の末尾に付くアルファベットのことで、特徴を示しています。ちなみに、サフィックスのないCPUは、デスクトップパソコン用の標準的な性能を持っています。
インテルのCPUのサフィックスは次の通りです。
サフィックス 特徴 K オーバークロックに対応した、高性能CPU F 内蔵GPUがない。グラフィックボードが必須 H ノートブック向け。高性能CPU P 薄型ノートブック向けに最適化されたCPU U ノートブック向け。省電力のCPU AMDのCPUのサフィックスは次の通りです。
サフィックス 特徴 X オーバークロックに対応した、高性能CPU 3D 3D V-Cacheという技術を採用する高負荷に最適化したCPU G 内蔵GPUを搭載したCPU H ノートブック向け。内蔵GPU搭載の高性能CPU U ノートブック向け。内蔵GPU搭載の省電力のCPU 複数のサフィックスを組み合わせることもあり、内蔵GPUのないオーバークロック対応のCPUならKFとなります。
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【インテル】CPUの種類
インテルのCPUは性能や用途に応じて、いくつかの種類に分かれています。それぞれの特徴を知っておくと、パソコン選びがぐっとスムーズになるでしょう。インテルが一般向けとしてリリースしているCPUには、次のものがあります。
CPUの種類 特徴 Core i、Core 一般的なパソコン向けのCPU。Core i3~Core i9までグレードが分かれていて、用途に合わせて選択する。デスクトップパソコン用とノートブック用がある Core Ultra NPUを搭載した、AI処理を強化したCPU。ローカル環境でAIを活用したい人向け。グレードはCore Ultra 5~Core Ultra 9まで分かれる。デスクトップパソコン用とノートブック用がある Intel Processor ノートブックやミニPC向けのエントリーグレードのCPU。省電力で価格が安い。CeleronやPentiumの名称を統合したもの -
【AMD】CPUの種類
AMDのCPUもインテルと同様に、性能や用途に応じて複数の種類に分かれています。サーバーやワークステーションなど、特殊な用途向けのCPUもありますが、一般的なCPUとしては次のものをリリースしています。
CPUの種類 特徴 Ryzen 一般的なパソコン向けのCPUで、Ryzen 3~Ryzen 9までグレードが分かれる。デスクトップパソコン用とノートブック用がある Ryzen AI AI処理に優れるNPUを搭載したCPU。ローカル環境でAIを活用することが可能。グレードはRyzen AI 5~Ryzen AI 9に分かれる。主にノートブック向け Ryzen AI MAX Ryzen AIの上位にあたるCPUで、高性能なNPUとGPUを搭載する。主にノートブック向け -
【Qualcomm】CPUの種類
Qualcommはスマートフォンなど、モバイル機器向けのプロセッサーで知られています。近年はNPUを搭載したAI機能を強化したCPUをリリースしており、パソコン用のCPU市場で存在感を見せています。インテルやAMDほど多くはないものの、QualcommのCPUを搭載するパソコンは徐々に増えてきています。Qualcommのパソコン向けのCPUは次の通りです。
CPUの種類 特徴 Snapdragon X、Snapdragon X Plus、Snapdragon X Elite NPUを搭載し、AI機能を強化したパソコン用のCPU。X、X Plus、X Eliteの順に性能が高い。ローカル環境でAIを活用できる。主にノートブック向け インテルやAMDと異なるARMという規格のCPUのため、まれに動作しないソフトウエアがあるといわれています。
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用途別CPU選びのポイント
CPUを選ぶ時は、単純に性能が高いものを選べば良いわけではありません。パソコンをどのように使うかによって、最適なCPUは変わってきます。用途別にどのようなCPUを選べば良いかを分かりやすく紹介します。
● ゲーム、動画編集、3DCG
ゲームや動画編集、3DCG制作など、高負荷な作業を快適に行うには、できるだけ高性能なCPUが必要です。具体的には、インテルならCore i7やCore i9、AMDならRyzen 7やRyzen 9クラスを選ぶと安心です。これらのCPUは処理能力が高く、負荷の高い作業もスムーズに行えます。
そのため、省電力のために性能を抑えているノートブックではなく、デスクトップパソコンを検討することをおすすめします。
● イラスト、マンガ、デザイン
イラスト制作やデザイン作業には、ある程度以上の処理能力を持つCPUが求められます。インテルならCore i5以上、AMDならRyzen 5以上なら、快適に作業を進められるでしょう。特にレイヤーの多いイラストや高解像度のデータを扱うなら、Core i7やRyzen 7だと安心です。
イラストなどの用途であれば動画などに比べて高い性能は求められないため、ノートブック用のCPUでも問題ないでしょう。
● オフィス作業(書類作成、表計算など)
文書作成や表計算といったオフィス作業が中心なら、それほど高性能なCPUは必要ありません。インテルならCore i3、AMDならRyzen 3でも十分、必要な作業に対応できるでしょう。より快適さを求めるなら、Core i5、Ryzen 5もおすすめです。AI活用で業務効率の改善を図るならCore Ultra、Ryzen AI、Snapdragon Xを搭載した、Copilot+PCを採用してみてはいかがでしょうか。
● Webサイトの閲覧、SNS、動画視聴
Webサイトの閲覧やSNS、動画視聴といった用途なら、Core i3やRyzen 3といったエントリーグレードのCPUでも問題ありません。もし、よりパソコンの価格を抑えるのなら、Intel Processorも良いでしょう。
ただし、あまり価格の安いパソコンを選んでしまうと、将来的に他のことに活用したい時に性能不足になってしまうおそれがあります。
パソコンの性能を決めるポイントを解説
パソコンの性能は、CPUだけで決まるわけではありません。快適に使うためには、メモリー、ストレージ、GPUといった他のパーツのバランスも重要です。パソコン選びでCPUと併せてチェックしたい、他の重要ポイントを解説します。
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パソコンの性能は
CPUだけでは決まらないパソコンの性能は、CPUだけで決まるものではありません。メモリーやストレージ、GPUなど他のパーツが性能不足だと、足を引っ張られるような形で本来の性能を発揮できないのです。パソコンは、各パーツがバランス良く組み合わさることで、本来の力を発揮します。
全てを高性能にすれば、あらゆることに対応できるパソコンになるかもしれません。しかしそれは非常に高価で、とても手の届かないものになってしまうでしょう。
CPUを中心に、メモリーやストレージ、GPUのバランスを考えてパソコンを選ぶことで、快適に使える一台を手に入れられます。パーツの組み合わせにも注目することが、後悔しないパソコン選びのポイントです。
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メモリー
メモリーはCPUが使用するデータを一時的に保管するパーツで、容量が多いとストレージへのアクセスが少なく、スムーズに作業を行えるようになります。逆にメモリーが不足してしまうと、ストレージへのアクセスが増え、動作が遅くなってしまうことがあります。
メモリーは書類作成などの負荷の低い作業でも、16GBはほしいところです。必要なメモリー容量の目安は次の通りです。
用途 メモリー容量の目安 ゲーム、動画編集、3DCG 32GB以上 イラスト、マンガ、デザイン 16GB以上。32GBがおすすめ オフィス作業(書類作成、表計算など) 16GB以上 Webサイトの閲覧、SNS、動画視聴 8GB以上。16GBあると快適さが向上 -
ストレージ
ストレージはWindowsなどのOSやソフトウエアなどのデータを保存するパーツで、アクセスが速ければ速いほど快適にパソコンを使えるようになります。そのため、アクセス速度が劣るハードディスクから、高速なSSDがストレージの主流になっています。
また、ストレージは容量も重要なポイントです。使っていくうちにデータが増えていき、空き容量が不足するとパソコンの動作が不安定になることがあります。パソコンを購入する時は、用途に合った容量を選択することが重要です。
用途 ストレージ容量の目安 ゲーム、動画編集、3DCG 1TB以上。外付けのストレージも用意すると安心 イラスト、マンガ、デザイン 500GB以上 オフィス作業(書類作成、表計算など) 256GB以上 Webサイトの閲覧、SNS、動画視聴 128GB以上。256GBあると安心 -
GPU
GPUは映像の処理を担当するプロセッサーで、ゲームや動画編集、3Dグラフィックスなど、映像処理の負荷が高い用途では高性能なグラフィックボードが必要です。ただし、グラフィックボードが必要になるほど、負荷の高い用途は限られており、ほとんどの人はCPUの内蔵GPUで足りるでしょう。
用途 GPUの目安 ゲーム、動画編集、3DCG グラフィックボード必須。GeForce RTX 4060またはRadeon RX 7600以上が目安 イラスト、マンガ、デザイン 内蔵GPU。グラフィックボードの利用がおすすめ オフィス作業(書類作成、表計算など) 内蔵GPU Webサイトの閲覧、SNS、動画視聴 内蔵GPU
Lenovoのおすすめパソコン
パソコンの購入を検討しているのなら、Lenovoのオンラインショップがおすすめです。ラインナップが豊富な上にカスタマイズもできるため、自分にぴったりのパソコンを手に入れられるはずです。Lenovoにはどんなパソコンがあるのか、おすすめのモデルを紹介します。
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CPUで選ぶならLenovoがおすすめ
パソコンをCPUから選ぶのなら、Lenovoのオンラインショップをチェックしてみましょう。パソコンごとにさまざまなCPUを搭載したモデルが用意されているため、自分に必要なスペックのパソコンが見つけられるはずです。もし、自分にぴったりのパソコンを見つけられなかったとしても大丈夫。Lenovoはパソコンによっては、CPUやメモリー、ストレージなどのカスタマイズができるのです。
「もう少し性能の高いCPUがほしい」と思ったら、カスタマイズしてCPUを変更できるパソコンもあります。まずは気に入ったパソコンをチェックしてみましょう。
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