プログラミング用パソコンの選び方！初心者向けにおすすめスペックを解説

基本的にはどのOSでもプログラミングは可能ですが、開発対象や使用言語によって最適なOSは異なります。例えば、iOSアプリの開発にはMacが必須で、WindowsアプリならWindows、AndroidアプリであればWindowsまたはLinuxが推奨されます。

また、OSごとに開発環境の構築方法や対応ツールに違いがあるため、自分が取り組みたい開発ジャンルに合ったOSを選ぶことが大切です。 スムーズな開発環境を整えることは、作業効率や学習の質に直結します。安易にスペックや価格だけで判断せず、使用目的を明確にした上で選択するようにしましょう。

ノートパソコンとデスクトップパソコンには、それぞれ異なるメリットがあります。ノートパソコンは軽量・コンパクトで持ち運びに便利なため、プログラミングスクールやカフェ、勉強会など外出先でも作業したい人にぴったり。自宅では外部モニターを接続することで、作業スペースを拡張することも可能です。

一方でデスクトップパソコンは、ノートパソコンよりも同価格帯でより高性能なスペックを実現しやすい点が魅力。処理能力や拡張性に優れているため、自宅で腰を据えて開発作業を行う人におすすめです。使用スタイルに応じて、自分に合ったタイプを選びましょう。

パソコン選びでは、あらかじめ予算の上限を決めておくことで選択肢を絞りやすくなります。例えばMacの場合、スタンダードモデルでも15万円〜35万円ほどが目安です。エントリーモデルは10万円前後で購入可能ですが、スペック面でやや物足りなさを感じることもあります。

一方、Windowsパソコンは比較的価格帯が広く、5万円〜15万円程度でもプログラミングに十分対応できるモデルが豊富です。特に初心者の場合は、予算を抑えつつ必要なスペックを備えたWindowsパソコンの方が現実的な選択肢になるでしょう。

今後の拡張性や長期的な利用を見据えて、無理のない範囲で余裕のあるスペックを選ぶのがポイントです。

ノートパソコンのディスプレイには光沢のあるグレアと非光沢のノングレアがあり、プログラミングで使用するのであればノングレアを選びましょう。

グレアは発色の美しい映像を表示できるのが特徴ですが、表面に光沢があるためディスプレイへ光や自分の顔などが映り込んでしまいます。そのため、気が散りやすいだけでなく、長時間使用すると目に疲れを感じます。

ノングレアは映像が白っぽく表示されてしまいますが、光沢がないため反射が少なくて目が疲れにくいため、プログラミングのように長時間ディスプレイを見続ける作業に向いています。

ノートパソコンはデスクトップパソコンよりディスプレイのサイズは小さいですが、フルHD以上の高解像度のものを選びましょう。ディスプレイのサイズが小さくても、解像度が低いと一度に表示できる文字数が少ないのです。また、解像度が低いと表示される文字が粗く、読みにくいという欠点もあります。高解像度であれば表示できる情報量が多い上に、文字もなめらかで読みやすくなるため、長いプログラムでもチェックしやすいでしょう。

4Kディスプレイのような高解像度のディスプレイを選んだ場合は、Windowsの設定で文字の大きさを拡大しましょう。そのまま使用すると文字が小さくて、目が疲れてしまいます。

デスクトップパソコンでは、テンキーのあるフルサイズキーボードが一般的です。テンキーは数字の入力に特化したキーなので、大量に数字を入力するような場面で重宝します。ただ、ノートパソコンだとテンキーのないキーボードが主流です。

数字を入力する機会が多い場合は、フルサイズキーボードを搭載しているかどうかをチェックしましょう。15型ディスプレイ前後のノートパソコンであれば、フルサイズキーボードを搭載しているものもあります。

小型のノートパソコンだとフルサイズキーボードを搭載しているものはありませんが、テンキーだけのキーボードをUSB接続で追加できます。

プログラミング学習では、場所を選ばずに学習できる環境が重要です。軽量ノートパソコンなら、スクールや図書館、カフェなどさまざまな場所で学習を継続でき、習慣の定着に効果的です。

おすすめは1.3kg以下の軽量モデルで、8時間以上のバッテリー駆動が可能なものを選びましょう。自宅では集中しにくい人や、通勤時間を活用したい初心者には特に有効です。スペックは基本性能重視で、Core i5以上のCPUと8GB以上のメモリー（できれば16GB以上） があれば学習には対応できるでしょう。

デスクトップパソコンであれば、マルチディスプレイがおすすめです。複数台のディスプレイがあればさまざまな情報を同時に表示できるため、ウィンドウを切り替える手間がかかりません。デスクトップが広く使えることで、複数の作業を同時に進めやすくもなります。

ディスプレイによっては縦位置にできるものもあります。縦位置のディスプレイはあまりなじみがないかもしれませんが、プログラムをする時は横位置よりも複数の行をまとめて見られるというメリットがあります。プログラムをする人は、縦に置けるディスプレイを選択するのも良いでしょう。

特にノートパソコンを選ぶ理由がないのであれば、プログラミングをしたい人はデスクトップパソコンがおすすめです。デスクトップパソコンはノートパソコンとほぼ同じ価格でも、性能が高いことが多いためです。コストパフォーマンスを考えた場合、デスクトップパソコンとノートパソコンを比べた場合、デスクトップパソコンの方が優れています。

ノートパソコンはさまざまな工夫を凝らして省スペースにする設計が必要になるのですが、デスクトップパソコンではそういった手間がかかりません。それにより、同じ価格でもデスクトップパソコンの方が高性能になるのです。

CPU（中央処理装置）は、アプリケーションやOSのあらゆる命令を処理するパソコンの頭脳とも言える重要なパーツです。処理性能が低いCPUでは、開発ツールの動作が重くなり、作業効率が大幅に低下することもあります。

プログラミング用途では、最低でも「Intel® Core™ i5」または「AMD Ryzen™ 5」以上を選ぶのが安心です。将来的により複雑な開発を見据えている場合や、処理負荷の高い作業が想定されるなら、ワンランク上のCore i7／Ryzen 7以上も検討しましょう。

メモリーは、パソコンが一時的にデータを処理・保存する作業領域で、容量が大きいほど複数のアプリや処理を同時に快適に実行できます。

プログラミングでは、コードエディタの他にもWebブラウザ、ローカルサーバー、データベースなどを並行して動かす場面が多く、最低でも16GBのメモリーは必要になります。ただし、16GBでは余裕がなくなるケースも少なくないため、可能であれば32GB以上を搭載しておくと安心です。

現時点でメモリーを使い切る作業が少ない人でも、あとから増設できるモデルを選んでおけば、必要に応じて容量を拡張できます。

ストレージは、プログラムやデータファイルを保存する領域です。種類は主にHDD（ハードディスクドライブ）とSSD（ソリッドステートドライブ）の2つがありますが、プログラミング用途では高速な読み書きが可能なSSDの使用が断然おすすめです。

最低でも256GB以上の容量を確保し、余裕を持ちたい人は512GB以上を選ぶと安心です。もし保存容量を重視する場合は、「SSD＋HDD」のデュアルストレージ構成を検討するのも良いでしょう。これにより、OSや開発ツールはSSDに、データファイルはHDDにといった使い分けが可能になります。

GPU（グラフィックス処理装置）は、画像処理や計算処理に特化したパーツで、一般的なWebアプリや業務系システムの開発では必須ではありません。ただし、AI・機械学習・ゲーム開発・3Dアプリ開発などの分野に取り組む場合は、高速な演算処理が求められるため、GPU搭載モデルが必要になります。

代表的な製品には、NVIDIA®の「GeForce®」「Quadro®」、AMDの「Radeon™」などがあります。プログラミング用途では、汎用性と性能のバランスが良いGeForceシリーズがおすすめです。

近年は、ノートパソコンにも高性能GPUを搭載したモデルが増えているため、将来的にGPUを活用する可能性がある人はチェックしておきましょう。

Web開発では、比較的軽めの処理が中心になるため、エントリーモデルのパソコンでも対応可能です。フロントエンドはHTMLやCSS、JavaScriptを使用し、バックエンドではPHPやPythonなどが使われます。おすすめのスペックは、CPUはCore i5以上、メモリーは8GB（できれば16GB）、SSDは256GB以上です。

動作確認のため複数ブラウザを同時に使用することも多く、マルチタスク性能が重要です。OSはWindowsでもMacでも問題ありませんが、Linuxに対応した知識があると学習効率が高まるでしょう。全体的にバランスの良いスペック構成が求められます。

AIやデータサイエンスの分野では、大量のデータ処理や演算を伴うため、高性能なパソコンが不可欠です。特に、機械学習ではGPUの性能が作業効率に大きく影響します。CPUはCore i7またはRyzen 7以上、メモリーは最低16GB（理想は32GB）がおすすめ。ストレージは512GB以上のSSDが必須です。GPUはNVIDIA製のGeForce RTX 4060以上、またはRTX 4070以上を推奨します。より本格的な学習を行う場合は、RTX 4080やRTX 4090も検討しましょう。

PythonやRの動作も快適になるため、学習や分析の効率を重視するなら、これらのスペックは妥協しないことが重要です。

ゲーム開発では、3Dグラフィックスやリアルタイム処理が多く、高性能なパソコンが必須です。UnityやUnreal Engineを快適に動かすには、Core i7またはRyzen 7以上のCPUと、16GB以上のメモリー（理想は32GB）がおすすめです。

特に、GPUはGeForce RTX 3060以上を選ぶことで、描画処理がスムーズになります。アセットやテクスチャなど大容量ファイルを扱うため、1TB以上のSSDがあると開発効率が向上するでしょう。また、マルチディスプレイ環境に対応したパソコンだと、作業領域が広がり、生産性が大幅に向上します。

モバイルアプリ開発では、開発対象によって必要なパソコンのOSが異なります。iOSアプリ開発にはMacが必須ですが、AndroidはWindowsでも対応可能です。

おすすめスペックは、CPUはCore i5以上、メモリーは16GB以上（最低8GB）、SSDは256GB以上です。特に、Android StudioやXcodeなどのIDEは動作が重く、エミュレータの使用時に多くのメモリーを消費するため、16GB以上あると学習効率が上がります。実機での動作確認も頻繁に行うため、USBポートの数も確認しておくと安心です。

低スペックのパソコンを選んでしまった場合、プログラミングはできたとしても、快適に作業ができない問題が起こる可能性があります。処理が停滞して動作が重くなったりすると、ストレスの原因にもなり兼ねません。

貴重な開発時間を快適にするためには、使いやすくて作業効率が高い環境を構築することが大切です。予算に合わせながらスペックを妥協しないことをおすすめします。

新品でパソコンを購入する以外にも、中古品のパソコンを購入するという選択肢もあります。新品価格には手が届かないと感じている場合も、中古品なら予算を抑えてプログラミング用パソコンを購入することも可能です。

しかし、中古品の場合は補償がないケースも多いため、購入前の状態チェックが欠かせません。性能面だけではなく、バッテリーの不具合や各種欠陥がないかの確認も必要となるため注意しましょう。

完成品のパソコンとは違い、CPU やメモリー、ストレージなどの構成を自分好みにカスタマイズできるパソコンを「BTO パソコン」と呼びます。予算や用途に合わせて構成を決定できるため、自分仕様のパーツ構成にできる点がメリットです。

レノボでは BTO と呼ばれているパソコンを、CTO (Configuration to Order) という名称で呼んでいます。主に Think ブランドと Lenovo ブランドが対応しており、この中から選択するのも良いでしょう。

完成品よりもコストパフォーマンスの面で優れている傾向にあるため、プログラミン仕様に合わせてカスタマイズしたい人におすすめです。ただ、ある程度のパソコン知識が必要となるため、初心者の人は完成品の方が無難と言えます。

IdeaPad Slim 170 15.6型

プログラム初心者で、どういったパソコンが適しているのか分からない人は、コストパフォーマンスを重視して選んでみましょう。Webアプリやサービスの開発であれば、初心者でも取りかかりやすい上に、パソコンに高い性能を求められないのがメリットです。プログラムに慣れてきたら、必要なスペックなどをもとにして自身に合ったパソコンを選びましょう。

IdeaPad Slim 170 15.6型はディスプレイが大きくて見やすい上に、価格が安いのがポイントです。プログラミングでは文字の見やすさが重要です。15.6型はノートパソコンとしては大きなディスプレイで、とても文字が見やすくなっています。

CPUやメモリー容量も必要十分で、すぐに物足りなさを感じることはないでしょう。プログラムをはじめる最初の1台としておすすめです。

Yoga 9i Gen 8 14型(第13世代Intel® Core™)

ストレスなくプログラミングを行うのであれば、高性能なノートパソコンが必要です。プログラミングでは高い負荷のかかる作業がいくつもあり、さまざまな場面でパソコンに高い性能を求められます。負荷の高い作業を行う度にパソコンの性能が低下し、他の作業に支障が出るのはストレスの原因になります。プログラミングを行う時は集中力が途切れないよう、できるだけストレスのかからない環境が必要です。

高性能ノートパソコンには、Yoga 9i Gen 8 14型がおすすめです。グラフィック性能の高いGPUを内蔵するインテルのCPUを搭載している他、メモリー容量、ストレージ容量も十分に余裕があります。また、薄型で持ち運びやすいため、作業場所を移動しやすいのもポイントです。いつでもストレスのない、快適な環境でプログラミングに取り組めます。

IdeaPad Gaming 370i 16型

ゲームのプログラムをしたいのであれば、少なくとも開発するゲームが動作する程度の性能が必要です。担当するプログラムにもよりますが、ゲームよりもスペックの低いパソコンでは、ちゃんと動作するのかどうかを確認できないのです。

おすすめなのが、ゲーミングPCを購入することです。ゲーミングPCはゲームに最適化しているパソコンなので、性能不足で悩むことはありません。気にすることなくゲームのプログラミングを行えます。

まずは手ごろな価格のゲーミングPCで、プログラムをはじめてみましょう。IdeaPad Gaming 370i 16型は決して高価格ではありませんが、最新のゲームにも対応できるだけの性能を持ったゲーミングノートPCです。CPUなどの発熱もしっかりと冷却できるため、高温でも安定した動作を期待できます。

ThinkBook 13s Gen 4

どこにいてもプログラミングに取り組みたい、というプログラム好きなら、軽量なノートパソコンはいかがでしょうか。ディスプレイのサイズが小さくなるため、見やすさは損なわれるかもしれませんが、その代わり持ち運びやすくなるため、いつでもどこでもノートパソコンを持って行ってプログラミングができます。

本格的な作業をするのではなく、サブのパソコンとしての活用もおすすめです。その時どきで作業場所が変えられるため、気分転換にぴったりです。プログラムをもっとアクティブに楽しみたい人には、ThinkBook 13s Gen 4はいかがでしょうか。13.3型とディスプレイは小型ですが、臨時の作業であれば十分なサイズ。外出をしていると気になるのがバッテリーの持続時間ですが、最大約17.8時間という長時間バッテリーを搭載しているため、半日以上の外出でも安心です。

ThinkCentre Neo 50s Small Gen 3

ノートパソコンだとディスプレイが小さくなってしまうのは、持ち運びをするという前提があるため仕方ありません。ディスプレイを追加してマルチディスプレイ環境にもできますが、接続できるディスプレイの台数に限りがあります。また、4Kディスプレイを複数台接続できるものも多くはないでしょう。

プログラミング環境を少しでも快適にしたい、見やすいディスプレイを使いたいという方には、デスクトップパソコンがおすすめです。高解像度ディスプレイを2台接続して快適にプログラミングに取り組めます。

プログラミング環境が快適になるデスクトップパソコンとしては、ThinkCentre Neo 50s Small Gen 3がおすすめです。4Kに対応するディスプレイ端子（HDMI、DisplayPort）をふたつ備え、快適なプログラミング環境を実現可能です。

複数のウィンドウを同時に表示する機会が多いプログラミングでは、外部モニターの導入が作業効率アップに直結します。ノートパソコンの画面だけでは表示できる情報量が限られますが、モニターを追加すればエディタやブラウザ、データ表示などを並行して利用でき、確認や修正もスムーズです。おすすめは24インチ以上のフルHDモニター。4K表示や縦置き対応なら、長いコードの確認にも便利で、学習や実務の効率が向上します。

長時間のプログラミング作業では、手になじむキーボードとマウスが快適性を左右します。打鍵感の良いメカニカルキーボードはタイピングの精度と速度を上げ、データ入力が多い場合はテンキー付きが便利です。また、疲労を軽減するエルゴノミクスデザインのマウスもおすすめ。ワイヤレスタイプならデスク周りがすっきりし、作業効率も上がります。効率的な開発には欠かせない投資と言えるでしょう。

プロジェクトデータや学習ファイルの管理には、外付けSSDがおすすめです。高速な読み書きで大容量ファイルもスムーズに扱えます。また、ノートパソコンを使うならドッキングステーションを導入すると便利です。USB-C接続で外部モニターやキーボード、ストレージに一括接続でき、作業環境が格段に向上します。電源供給にも対応していれば、充電も同時に可能です。これらの周辺機器を活用して、パソコンの性能を最大限に引き出しましょう。