目 次
GPUの役割を分かりやすく解説
画像や動画など映像に関する処理を専門的に担っているパーツのことをGPUといい、最新のゲームを遊んだり、高画質の動画編集を行ったりする時に欠かすことができない存在です。しかし、GPUが求められているのは、それだけではありません。 GPUの役割にはどういったものがあるのか、簡単に分かりやすく解説していきます。
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GPUとは何か?
グラフィックス処理装置の基本GPUはGraphics Processing Unitの略で、映像を処理するためのパーツです。パソコンの中で、画像や動画をはじめとする映像を処理し、表示する役割を担っています。それに対してCPU(Central Processing Unit)はパソコンの頭脳ともいえるパーツで、計算やデータの処理、プログラムの実行などを担っています。
CPUが一つひとつの作業を高速に処理することを得意としているのに対して、GPUは複数の作業を同時に処理することを得意としています。映像の処理を行うには、大量のデータをまとめて処理できるGPUが適しているのです。これにより高画質で、なめらかな映像を表現でき、最新のゲームや動画編集を快適に行えます。
GPUに注目が集まっているのは、AIに欠かせないためです。大量のデータをもとに分析・処理するAIには、大量のデータを同時に処理するGPUが必要なのです。これにより、高性能なGPUに対する需要が高まり、価格が高騰するほど品薄になりました。
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CPUとGPUの違いとは
CPUはコンピューターの中心的な処理装置として複雑な計算や制御を少数のコアで担当します。一方、GPUは大量の単純計算を多数のコアで同時に処理できる設計が特徴です。CPUが多様な処理を得意とするのに対し、GPUはグラフィック処理や並列計算が必要な場面で高い性能を発揮します。この特性の違いにより、両者は現代のコンピューティングで補完的な役割を果たしています。
● 並列処理と直列処理の違い
GPUとCPUの根本的な違いは、データの処理方式にあります。CPUは直列処理(シリアル処理)を得意とし、少数の高性能コア(4~16コア程度)で複雑な命令を1つずつ順に高速実行します。
一方、GPUは並列処理(パラレル処理)に特化し、数百~数千の小型コアを搭載。多数のデータに同じ命令を同時適用するSIMD(Single Instruction Multiple Data)方式や、GPUに特有のSIMT(Single Instruction Multiple Thread)アーキテクチャを採用しています。
これにより画像処理や3D描画、大量のAI計算など高速な同一処理が可能となっているのです。
● 単純計算の大量処理と複雑計算の少量処理の違い
CPUとGPUは処理する計算の種類にも大きな違いがあります。CPUは複雑な計算を少量のデータに対して高精度で実行するのが得意です。例えば、条件分岐や予測実行などの多段階の計算処理がこれに当たります。OSの動作やビジネスアプリケーションなど、逐次的な判断が必要な場面で真価を発揮します。
これに対し、GPUは同じ計算を多数のデータに同時に適用するのが得意で、特に単純な計算を大量に処理する場面で強力な性能を発揮。3Dゲームでの頂点処理やピクセル計算、AI学習における行列演算など、膨大なデータに対する同じ処理を高速で実行することが可能です。
この違いにより、処理対象や計算の性質によって、CPUとGPUは適材適所で使い分けられます。
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GPUとグラフィックボード
(グラボ)の違いGPUと似たような言葉に、グラフィックボード(グラボ)があります。パソコンの世界では、GPUとグラボはほぼ同じ意味の言葉として使われていますが、厳密には異なります。
GPUが映像処理向けのプロセッサーなのに対して、グラボはGPUを搭載したハードウエアを指します。つまりGPUは、グラボの中の一部品として動作しているのです。グラボにはGPUの他にも、メモリーや冷却ファン、出力端子などの部品が搭載されています。これらの部品が組み合わさって、グラボとして映像を表示する役割を果たすのです。
しかし、日常の会話やパソコンを購入する時では、GPUとグラボを基本的に同じものとして考えて問題ありません。
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CPU内蔵GPU(iGPU)と
APUの特徴と用途内蔵GPUはCPUに内蔵された映像処理機能で、グラフィックボードなしでも映像出力が可能。主に軽めの事務作業や動画視聴に適しており、高負荷な3Dゲームや動画編集には不向きです。
AMDのAPU(Accelerated Processing Unit)は、CPUと高性能な内蔵GPUを1チップに統合したもので、一般的な内蔵GPUより描画性能が高いのが特徴です。 Intelも「Intel UHD Graphics」「Intel Iris Xe」などの種類があり、世代やモデルによって性能に差があります。用途や求める性能に応じて選びましょう。
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GPUの性能が求められる主な用途とは
GPUの性能が求められる用途は多岐にわたり、ゲームや映像編集はもちろん、AIや機械学習、データ解析などの高度な計算処理にも欠かせません。これらの分野では、処理速度や並列処理能力が非常に重要な要素となります。それぞれの用途において、どのようなGPUが求められるのかを理解することで、自分のニーズに最適な性能を持つGPUを選べるようになるでしょう。
● ゲームや3Dレンダリング
現代のゲームや3Dレンダリングにおいて、GPUは欠かせない存在となっています。高精細な3Dゲームでは、リアルタイムでの複雑な光の反射(レイトレーシング)や物理演算、何百万ものポリゴン処理が必要です。
GPUは数千ものコアを駆使して、これらの大量の計算を並列で行い、高速かつ滑らかなグラフィック表示を実現します。最新のAAA級タイトルでは、リアルタイムシャドウやグローバルイルミネーションなど、かつては事前レンダリングでしか表現できなかった高度な視覚効果をGPUのおかげでリアルタイム処理できるようになりました。建築やプロダクトデザインの分野でも、3DCGの高速レンダリングにGPUの性能が大きく貢献しています。
● 動画編集・画像処理
動画編集や画像処理では、GPUが特に効果を発揮します。プロ向け編集ソフトのGPUアクセラレーション機能により、エフェクト適用やカラーグレーディング、高解像度映像のリアルタイムプレビューがスムーズに実行できるようになりました。4K・8K映像編集ではレンダリング時間が大幅に短縮され、従来の数分の一で出力が完了します。
GPUの並列処理能力を活用することで、複雑な映像処理も短時間で完了し、プロフェッショナルな編集作業をサポートします。これにより、制作者は時間的な制約があるプロジェクトにおいても、効率よく高品質なコンテンツ制作に取り組むことができるでしょう。
● AI処理や機械学習(GPGPU)
GPUは本来のグラフィック処理とは別にAI処理や機械学習においても重要な役割を果たしています。特に、大規模なデータセットを使った学習や推論処理では、GPUの並列処理能力が不可欠です。例えば、深層学習において、GPUは何千もの計算を同時に実行し、モデルの訓練をCPUと比較して数十倍から数百倍も高速化できます。
このように、GPGPU(General Purpose GPU)を活用することで、画像認識や自然言語処理などのAI分野での処理時間を大幅に短縮し、より高精度な結果を得られるでしょう。
GPUの種類と用途別分類
GPUは用途に応じて大きくコンシューマー向けとプロフェッショナル向けに分類されます。ゲームや一般用途にはGeForceなどのコンシューマーGPUが、映像制作やAI開発にはQuadroやNVIDIA RTX、AIサーバー用にはH100などのデータセンター向けGPUが利用されます。それぞれ性能や機能、価格帯が異なり、目的に合わせた選定が重要です。
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コンシューマー向けと
プロフェッショナル向けの違いコンシューマー向けGPUは、主にゲームや動画再生、画像編集といった一般用途を想定し、高いグラフィック性能を低価格で提供します。一方、プロフェッショナル向けGPUは、3D CAD、映像制作、AI開発など専門分野での利用を前提に開発され、処理の正確性や安定性、長時間稼働を重視した設計が特徴です。また、専用ドライバーの提供やサポート体制も手厚く、用途に応じた最適な選択が求められます。
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データセンター・AI向けGPUとは
データセンター・AI向けGPUは、大規模なサーバーやクラウド環境での企業向けAIサービスや大規模言語モデルの学習・推論、ビッグデータ解析、科学技術計算に特化した製品です。
NVIDIA H100やA100などが代表例で、一般向けGPUとは異なり高速な並列計算能力と大容量メモリーを搭載し、数百億~数千億のパラメータを持つAIモデルも短時間で処理できます。また、仮想化機能やクラスタリングも可能で、複数のGPUを連結した大規模システムとしてAI開発や生成AIの学習環境、クラウドGPUサービスでも幅広く活用されています。
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世代ごとのGPUの進化と特徴
GPUは世代ごとに処理性能や省電力性、AI機能が大きく進化してきました。例えば、NVIDIAのGeForce RTXシリーズは、従来のグラフィック描画に加え、レイトレーシングやDLSSといったAI技術を搭載し、リアルタイムで高精度な映像表現が可能です。また、最新世代のデータセンター向けGPUでは、AI演算に特化したTensorコアや大容量メモリーを搭載し、より高速な深層学習処理に対応しています。
GPU主要メーカーと製品の特徴
GPUの市場には三大メーカーがあり、それがNVIDIA(エヌビディア)、AMD、そしてIntelです。いまパソコンにおけるGPU市場は、ほぼこの三大メーカーによって占められています。それぞれのメーカーについて、詳しく解説していきます。
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NVIDIAの強みと代表製品
NVIDIAはGPUのトップメーカーとして知られる企業で、AIの発達によるGPUの需要増から今後の世界を牽引するともいわれています。
また、パソコンのゲームユーザーからも高性能GPUを提供する企業としても知られており、ゲームやクリエイティブ分野に最適化したGPUの「GeForce(ジーフォース)」シリーズは高い支持を得ています。
NVIDIAはただのGPUメーカーではなく幅広い分野へと進出しており、自動運転、データサイエンスなどで存在感を示しています。IntelとAMDに独占されていたCPUへの進出も発表されており、NVIDIAは今後のパソコン市場を大きく左右する可能性を秘めている企業のひとつです。
● GeForce・Quadro・RTX・CUDAとは?
NVIDIAの製品ラインアップは用途に応じて明確に区分されています。GeForceシリーズはゲーマーや一般消費者向けに設計され、最新ゲームを高フレームレートでプレイできる性能を提供。一方、かつてQuadroと呼ばれていた現在のRTX Aシリーズは、建築設計やCG制作などのプロフェッショナル用途に特化し、認証済みドライバーや高精度計算を備えています。
RTXテクノロジーは両ライン共通の機能で、リアルタイムレイトレーシングや深層学習を活用した画像処理を実現します。またCUDAは、GPUの並列計算機能を活用するための開発環境で、AI学習や科学技術計算に幅広く利用されます。
● AI・深層学習分野での優位性
AIや深層学習では、大量データを高速に処理する能力が求められます。GPUは並列処理が得意で、同時に膨大な計算を行うAI学習との相性が抜群。特にNVIDIAのTensorコアを搭載したGPUは、AI演算に特化した構造を持ち、高速な学習と推論を実現します。CUDAによる開発環境も整っており、画像認識・自然言語処理・生成AIなど幅広いAI分野で活用が進んでいます。
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AMDの特徴と
製品ライン(Radeon・ROCm)AMDはアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(Advanced Micro Devices)社の略称で、パソコン市場だとIntelに次ぐ半導体メーカーとして広く知られています。CPUだけでなくGPUでもAMDの名前はよく知られており、「Radeon(レイディオン)」シリーズが高い人気を誇っています。
RadeonにはGeForceとは異なる技術が使われており、ユーザーの好みに応じて選ばれることが一般的です。さらにAMDは、CPUとGPUの機能を統合したAPUという製品も提供しています。グラフィックボードを搭載しないパソコンでは、このAPUを搭載することで映像処理ができるようになっています。
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Intelの参入とArcシリーズ
IntelはパソコンのCPUではトップメーカーとして知られていますが、2022年にGPUの市場にも参入しました。ミドルグレードのGPUを中心に展開しており、一般ユーザーに適した製品を提供しています。GPUの製品として「Intel Arc(インテルアーク)」シリーズが発売されています。
Intel Arcの特徴は、他社の同グレードのGPUと比較して価格が安めに設定されていることです。コストパフォーマンスの良さから、ミドルグレードのゲーミングPCを検討しているユーザーの関心を集めています。
NVIDIAとAMDの2択だった状態から、さらにIntelが加わったことになります。まだ、GPU市場を席巻するほどのインパクトは与えていませんが、今後の動向に注目です。
グラボ(GPU搭載カード)のメリット・デメリット
グラフィックボード(グラボ)をパソコンに搭載することで、どんなメリットが得られるのでしょうか。また、どのようなデメリットがあるのでしょうか。グラボ導入によるメリットとデメリットを、分かりやすく解説します。
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グラボを搭載するメリットとは
グラボの導入によるメリットは次の通りです。
- ゲームなどで高品質な映像表現が可能になる
- 映像処理にかかる時間を短縮できる
- 高解像度ディスプレイがマルチディスプレイで利用できる
グラボを導入することで、最も大きく実感できるのは映像の品質向上です。例えば、高い解像度での映像表現が可能になる上に、なめらかで自然な動きも表現できるようになります。さらに光の反射などもリアルに再現可能です。
また、時間のかかる映像処理もスムーズに行えるため、動画編集などの作業が大幅に快適になります。長い待ち時間が大きく短縮され、それだけ効率よく作業できるでしょう。4Kのような高解像度ディスプレイを、複数台接続できるようになるのもポイントです。
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グラボの注意点とデメリット
グラボの導入そのものは決して悪いことではないのですが、デメリットも無視できません。代表的なデメリットには、次のものがあります。
- 消費する電力量が多い
- 大型のパソコンでなければ搭載できない
- 高性能なグラボは価格が高い
グラボの難点は消費する電力量の多さです。高性能グラボだと一般的なパソコンの電源ユニットだけでは足りず、大容量の電源ユニットが必要になります。当然、パソコンの使用時間が長ければ、それだけ電気代も跳ね上がります。
また、グラボはサイズが大きく、タワー型、セミタワー型などの大型のパソコンでなければ搭載できません。そして、価格の高さも特筆すべきポイントです。高性能グラボになると10万円を超えるモデルも珍しくなく、パソコンと変わらないほどの値段がします。
グラボを搭載・交換する際の注意点
グラボをパソコンに搭載するには、いくつかの注意点があります。気に入ったグラボを購入しても、そのまま使えるとは限らないのです。グラボに興味を感じたら、無駄な出費にならないよう必ず注意点に目を通して下さい。
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パソコンによって搭載できる
グラボに制限がある全てのパソコンに、自分が選んだグラボを搭載できるわけではありません。パソコンのケースのサイズや、電源ユニットの容量、マザーボードの拡張スロットの数や種類によって、選べるグラボに制限があります。これらの条件をクリアしたグラボでなければ、パソコンに搭載できないのです。グラフィックボードの一般的な長さは約25~30cmですが、場合によってはもっと長いモデルもあります。 購入前にケースのサイズや空きスロットを確認することが重要です。
特に小型のパソコンだと、大型のグラボが物理的に収まりません。パソコンの電源ユニットが必要な電力を供給できない場合も、グラボが正常に動作しない原因となることもあります。高性能なグラボを搭載するなら、ゲーミングPCなど専用設計されたパソコンが適していることを覚えておきましょう。
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電源容量とコネクタの対応状況
パソコンには、電源ユニットというパーツが搭載されています。電源ケーブルから届いた電力を変換し、パソコンの各パーツへと供給する役割を担っています。安定してパソコンへ電力を供給するため、重要になるのが電源ユニットの容量です。この容量が小さいと、グラボのような電力消費量の大きいパーツを動かせないのです。
例えば、300W(ワット)の容量の電源ユニットを搭載しているパソコンだと、350Wの電力が必要なグラボを取りつけても電力が足りず、正常に動作しないおそれがあります。高性能グラボを搭載するには、750W、800Wといった大容量の電源ユニットへの交換が必要になることもあります。
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ノートパソコンでの消費電力・
バッテリー問題
ノートパソコンの中には、グラボ搭載モデルがあります。グラボを搭載しているため、最新のゲームを高品質な映像で楽しむことができ、ゲーミングノートとしてゲームファンのあいだでも人気です。搭載しているのはノートパソコン向けのグラボですが、CPU内蔵のGPUよりもはるかに高性能で、デスクトップパソコンのGPUに負けないほどの性能を持つものも少なくありません。
ただし注意点があり、電力消費量の多いグラボを搭載しているため、バッテリーの持続時間が短くなります。そのため、外でゲームを楽しむためというよりは、屋内でゲームを楽しめる省スペースパソコンといった使い方が中心になるでしょう。
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スリム筐体では
ロープロファイル対応が必要グラボは一般的にサイズが大きいものが多く、基本的にスリムパソコンのようなコンパクトサイズのパソコンには搭載できません。しかし、コンパクトサイズのパソコンのために設計されたPCIe(PCI Express)ロープロファイル対応のグラボであれば、搭載することが可能です。PCIeロープロファイル対応の最上位モデルに相当する高性能なグラボはありませんが、それでも3Dゲームを楽しめる性能を持つグラボが発売されています。
そのため、スリムパソコンであっても電源ユニットの容量さえ足りていれば、グラボを搭載して3Dのゲームを楽しめます。
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GPUだけでなく
CPU・メモリーとのバランスも重要
グラボの性能を最大限に活かすには、性能の高いグラボだけでは不十分です。CPUやメモリーといった他のパーツも性能が高くなければ、グラボの性能を引き出せないのです。
例えば、高性能なグラボを搭載しても、CPUの性能が低いと映像以外の処理がスムーズに行えません。また、メモリーの容量が少なければ、大量のデータを処理できないのです。グラボだけ高性能だと、他のパーツに足を引っ張られてしまうわけです。
このようにグラボの性能を活かすには、バランスの良いパソコンが必要になります。高性能なグラボを導入する時は、CPUやメモリーの性能にも注目しましょう。
GPUの選び方:自分に合った製品を選ぶには
GPUは用途によって適したモデルが異なります。ゲーム用、動画編集、AI開発、業務用など、それぞれ求められる性能や機能が異なるため、自分の用途を明確にし、それに合った製品を選ぶことが重要です。価格やコストパフォーマンス、消費電力も比較しながら、自分に最適なGPUを見極めましょう。
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用途別(ゲーム・編集・AI)の
選定ポイントGPU選びは、まず用途を明確にすることが第一歩です。ゲーム用途なら高フレームレート実現のためのグラフィック処理能力と最新のDirectX/Vulkan対応が重要で、GeForce RTXシリーズやRadeon RXシリーズが人気を集めています。
動画編集や画像処理では、エンコード・デコード機能の性能とVRAM容量が作業の快適さを大きく左右します。特に4K以上の高解像度映像を扱う場合は8GB以上のVRAMがおすすめです。
AIや機械学習には並列計算能力が求められ、CUDA対応やTensorコア搭載モデルが適しています。それぞれの分野で重視すべき性能と機能が異なるため、利用シーンに応じた選定がポイントです。
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ベンチマークスコアの見方と比較方法
GPU性能を客観的に比較する際、ベンチマークスコアが有益です。3DMark、Unigineなどの総合ベンチマークは、グラフィック描画性能や処理速度を数値化し、製品同士の比較がしやすくなります。
ゲーム用途ならFPS値、AI用途ならTensor性能、動画編集ならエンコード速度など、用途別のベンチマーク結果も参考にしましょう。
ただし、スコアだけでなく、実際の使用環境やソフトとの相性も重要です。また、同じGPUでもドライバーの最適化やシステム全体のバランスによって性能が変わることもあります。複数の指標を参考にしつつ、実際の使用環境に近い条件での性能比較を行うことが大切です。
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価格・性能・コスパをどう判断するか
GPU選びで最も悩ましいのが、価格と性能のバランスです。ハイエンドモデルは魅力的ですが、用途に対して過剰なスペックは無駄になることも。ゲームプレイなら目標とする解像度とフレームレート、創作活動なら作業時間短縮効果、研究開発なら学習時間の短縮度などを基準に、必要十分な性能を選びましょう。
長期的な視点では、将来のソフトウエア要件や技術進化も加味し、2~3年の使用期間を想定した投資として捉えるのがおすすめです。自分の予算と必要性能を冷静に見極めることがコスパ最適化の鍵となります。
Lenovoの高性能GPU搭載パソコン
Lenovoは多くのユーザーの信頼を集める、世界的なパソコンメーカーです。高性能GPUを搭載したパソコンを多数発売しており、ゲームや動画編集、AIの処理など幅広い分野で活用できます。そんなLenovoで発売されている、おすすめのGPU搭載パソコンを紹介します。
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おすすめのノートブック
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おすすめのデスクトップパソコン
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まとめ
GPUは映像処理だけでなく、ゲームや動画編集、AIなどさまざまな分野で重要な役割を果たすパーツです。CPUとは異なり、並列処理に優れる点が特徴で、大量のデータを高速に処理できます。 用途によって、コンシューマー向けからプロ向け、AI・データセンター用までさまざまな種類があり、目的に合わせた選択が重要です。性能指標やベンチマークスコアを参考にしながら、適切なモデルを選びましょう。 高性能GPUの導入には多くのメリットがありますが、消費電力や設置条件などの制約も伴います。パソコン全体のバランスを考え、自分に最適なGPU環境を整えることが大切です。




