目 次
Intel CPUの世代とは

Intel CPUの世代は、新しい製品が登場する度に変化しています。世代が上がるほど性能が向上するのが一般的ですが、同じ世代でもシリーズによって特徴はさまざまです。ここでは、Intel CPUの世代とシリーズの関係性や、世代による性能差、世代の確認方法について詳しく解説します。
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Intelのシリーズと世代の関係
IntelのCPUには、Core i3、Core i5、Core i7、Core i9などのシリーズがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。シリーズによってコア数やクロック周波数、グラフィックス機能の有無などバリエーションに変化があるため、予算や用途に応じた選択が重要。例えば、Core i3は低価格帯のエントリーモデル、Core i7は高性能モデルといった位置づけです。一方、世代は製品のアーキテクチャを表し、新しい世代ほど性能が向上します。
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CPUの世代による性能差
CPUの世代が上がるほど、性能が向上するのが一般的です。例えば、第8世代から第13世代までのCore i7シリーズでは、シングルコア性能で約30%、マルチコア性能で約50%の性能向上が見られます。また、世代が上がるとコア数やクロック周波数、キャッシュ容量なども増加し、処理速度が向上することも。ただし、同じ世代でもシリーズによって性能差があるため、用途に合わせて適切なシリーズを選ぶことが重要です。
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世代の確認方法
CPUの世代は、製品名に含まれる数字から判断することが可能。例えば、Core i7-12700Kの「12」は第12世代であることを意味しています。ただし、一部の製品では世代を表す数字が省略されているため注意が必要です。オンラインでCPUの型番を検索すれば、詳細なスペック情報を確認できるため、CPUの世代を把握して性能差を理解し、適切な製品選びに役立てましょう。
CPUの主要シリーズと特徴

IntelのCPUには、Core iシリーズをはじめ、Celeron、Pentium、Atomなど、複数のシリーズが存在します。それぞれのシリーズには特徴があり、用途に応じて使い分けることが重要です。ここでは、インテルの主要CPUシリーズの違いと特徴について解説します。自分のニーズに合ったCPUシリーズを選択する際の参考にして下さい。
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Core i3、i5、i7、i9シリーズの違い
Core iシリーズは、インテルの主力CPUシリーズです。Core i3、i5、i7、i9の順に性能が向上しますが、価格も高くなります。それぞれのシリーズの特徴を表にまとめました。
シリーズ コア数 スレッド数 ターボブースト グラフィックス 用途 Core i3 2〜10 4〜12 なし Intel UHD Graphics エントリーモデル。基本的なタスクに適しています。 Core i5 2〜14 4〜20 あり Intel UHD Graphics ミドルレンジモデル。ゲームや動画編集にも対応します。 Core i7 2〜20 4〜28 あり Intel UHD Graphics ハイエンドモデル。高負荷な作業に適しています。 Core i9 8〜24 16〜32 あり Intel UHD Graphics 最上位モデル。プロフェッショナル向けの超高性能。 コア数とスレッド数が多いほど、同時に処理できるタスクが増えます。ターボブーストは負荷に応じてクロック周波数を自動的に引き上げる機能で、グラフィックス機能は全てのシリーズに内蔵されています。用途に応じて適切なシリーズを選択しましょう。
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Celeronシリーズの特徴
CeleronシリーズはIntelのローエンドCPUで、コストパフォーマンスを重視した設計が特徴です。主に低価格なノートパソコンやデスクトップパソコン、Chromebookなどに搭載され、基本的なタスクを処理するのに適しています。ターボブースト機能は搭載されておらず、クロック周波数も低め。コア数やクロック速度は抑えられており、高負荷な作業には適しませんが、低消費電力で静音性が高い点がメリットです。コストパフォーマンスを重視するユーザーや、オフィスワークなどの軽作業を行うユーザーに適しています。
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Pentiumシリーズの特徴
PentiumシリーズはCeleronの上位に位置するIntelのエントリーモデルCPUです。主に家庭用パソコンに採用され、エントリーレベルのゲームや軽度のマルチタスクにも対応可能。コア数とスレッド数は限られていますが、Celeronよりもクロック周波数が高く、よりスムーズな動作が期待できます。リーズナブルな価格とバランスの取れた性能が魅力です。
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Atomシリーズの特徴
Atomシリーズは超低消費電力が特徴のプロセッサで、主にモバイルデバイスやIoT機器向けに設計された、CPUシリーズです。クロック周波数は低めですが、非常にコンパクトな設計で発熱が少なく、バッテリー駆動時間を大幅に延ばすことができます。性能は高くないため高度な処理には向きませんが、タブレットやノートパソコン、組み込み機器などに適したCPUシリーズです。
デスクトップパソコン向けIntel CPUの世代別性能比較

デスクトップパソコン向けのIntel CPUは、世代によって性能が大きく異なります。ここでは、第8世代から第14世代までのCPUの性能差を比較し、各世代の主要モデルや特徴を解説します。また、世代別のおすすめモデルや、競合であるAMD CPUとの性能比較についても紹介します。これからデスクトップパソコンの購入や自作を検討している人は、ぜひ参考にしてみて下さい。
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第8世代から第14世代までの性能差
次の表は、第8世代から第14世代までのデスクトップ向けIntel CPUの性能を表にまとめたものです。
世代 CPU モデル コア数 スレッド数 ベースクロック ターボブースト L3キャッシュ 第8世代 Core i7-8700K 6 12 3.7GHz 4.7GHz 12MB 第9世代 Core i7-9700K 8 8 3.6GHz 4.9GHz 12MB 第10世代 Core i7-10700K 8 16 3.8GHz 5.1GHz 16MB 第11世代 Core i7-11700K 8 16 3.6GHz 5.0GHz 16MB 第12世代 Core i7-12700K 12 (8P+4E) 20 3.6GHz (P-core) 5.0GHz (P-core) 25MB 第13世代 Core i7-13700K 16 (8P+8E) 24 3.4GHz (P-core) 5.4GHz (P-core) 30MB 第14世代 Core i7-14700K 20(8P+12E) 28 3.4GHz (P-core) 5.5GHz (P-core) 33MB ※第12世代以降はハイブリッドアーキテクチャを採用しており、Performance-core (P-core)とEfficient-core (E-core)を組み合わせています。
IntelのCPUは世代が上がるごとに、コア数、スレッド数、クロック周波数、キャッシュサイズが増加傾向にあります。特に第12世代以降はハイブリッドアーキテクチャの採用により、コア数と性能が大幅に向上。第14世代のCore i7-14700Kは、第8世代のCore i7-8700Kと比べて、コア数が約3.3倍、キャッシュサイズが約2.8倍に増加しており、著しい性能向上が見られます。
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各世代の主要モデルと特徴
第8世代のCore i7-8700Kは6コア12スレッド、第9世代のCore i9-9900Kは8コア16スレッドを実現。第10世代のCore i9-10900Kは最大10コア20スレッドに到達し、第11世代のCore i9-11900KではIPCが最大約19%向上しました。
第12世代のCore i9-12900Kからハイブリッドアーキテクチャを採用し、第13世代のCore i9-13900Kではコア数がさらに増加。第14世代のCore i9-14900Kは、最大24コア32スレッド、ベースクロック3.2GHz、ブーストクロック5.6GHz、L3キャッシュ36MBを達成しています。
各世代で着実にコア数や性能が向上し、新たなアーキテクチャや機能が導入されてきました。
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世代別のおすすめモデル
デスクトップ向けIntel CPUのおすすめのモデルを用途や予算に合わせて紹介します。
予算重視ならCore i3シリーズ、ゲーミングにはCore i5以上のシリーズがおすすめです。動画編集やクリエイティブワークなど負荷の高い作業をする場合はCore i7シリーズ、より高負荷な作業には最上位モデルのCore i9シリーズが適しています。
CPUはシリーズだけでなく世代が重要です。仮にシリーズのグレードが高くても、世代が古ければ性能が劣る場合もあるため注意しましょう。最新の第14世代をコスパ重視で選ぶのであれば、Core i5-14600Kあたりが優れており、Core i9-14900Kは最高性能を発揮します。第13世代のCore i5-13600KやCore i9-13900Kも14世代が登場した後も引き続き強力な選択肢となっています。
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AMD CPUとの性能比較
ここではIntelのCore iシリーズと、競合であるAMDの「Ryzen」シリーズの性能を比較します。以下の表は、同価格帯、同クラスのCPU同士の主要な指標をまとめたものです。
CPU コア数 スレッド数 ベースクロック ブーストクロック TDP Core i5-13600K 10 (6P+4E) 16 3.5GHz (P-core) 5.1GHz (P-core) 125W Core i7-13700K 16 (8P+8E) 24 3.4GHz (P-core) 5.4GHz (P-core) 125W Core i9-13900K 24 (8P+16E) 32 3.0GHz (P-core) 5.8GHz (P-core) 125W Ryzen 5 7600X 6 12 4.7GHz 5.3GHz 105W Ryzen 7 7700X 8 16 4.5GHz 5.4GHz 105W Ryzen 9 7950X 16 32 4.5GHz 5.7GHz 170W CPUの性能はコア数やスレッド数、周波数だけでなく、アーキテクチャやIPCなどさまざまな要素が影響します。そのため、表の内容だけでCPUの優劣を判断することはできませんが、一般的にゲームやCADに必要なシングルスレッド性能はIntel CPUが、動画編集や3Dモデリング、大規模なデータ処理などに必要なマルチスレッド性能はAMD CPUが優れているとされています。
IntelのCore i9-13900Kは、8つの高性能コアと16つの効率コアを組み合わせた24コア32スレッドの設計で、幅広いタスクで高い性能を発揮します。一方、AMDのRyzen 9 7950Xは、16コア32スレッドの真の多コア設計により、マルチスレッド性能に特化したタスクで優れた性能を示します。
それぞれ異なる強みを持つため、用途に応じて適切なCPUを選択することが重要です。
ノートパソコン向けIntel CPUの世代別性能比較

ノートパソコン向けのIntel CPUも、デスクトップ向けと同様に世代によって性能が大きく異なります。ここでは、第8世代から最新の第14世代までのノートパソコン向けインテルCPUの性能差を比較し、各世代の主要モデルや特徴を解説します。また、世代別のおすすめモデルや、競合であるAMDのノートパソコン向けCPUとの性能についても紹介します。
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第8世代から第14世代までの性能差
次の表は第8世代から第14世代までのノートパソコン向けIntel CPUの性能について、コア数、スレッド数、ベースクロック、ターボブースト時のクロック周波数、キャッシュサイズなど主要な指標を用いて比較したものです。
世代 CPU モデル コア数 スレッド数 ベースクロック ターボブースト キャッシュ 第8世代 Core i7-8565U 4 8 1.8GHz 4.6GHz 8MB 第9世代 Core i7-9750H 6 12 2.6GHz 4.5GHz 12MB 第10世代 Core i7-10810U 6 12 1.1GHz 4.9GHz 12MB 第11世代 Core i7-1165G7 4 8 2.8GHz 4.7GHz 12MB 第12世代 Core i7-1260P 12 (4P+8E) 16 2.1GHz (P-core) 4.7GHz (P-core) 18MB 第13世代 Core i7-13700H 14 (6P+8E) 20 2.4GHz (P-core) 5.0GHz (P-core) 24MB 第14世代 Core i7-14800H 14 (6P+8E) 20 2.1GHz (P-core) 5.3GHz (P-core) 24MB ※ノートパソコンのCPUもデスクトップと同じく第12世代以降はハイブリッドアーキテクチャを採用しており、Performance-core (P-core)とEfficient-core (E-core)を組み合わせています。
世代が上がるごとに、コア数、スレッド数、キャッシュサイズが増加傾向にあり、特に第12世代以降は、ハイブリッドアーキテクチャの採用でコア数と性能が大幅に向上。
クロック周波数は、第10世代でベースクロックが一時的に低下していますが、ターボブースト時の周波数は世代を追うごとに上昇しています。
第14世代のCore i7-14800Hは、第8世代のCore i7-8565Uと比べて、コア数が3.5倍、キャッシュサイズが3倍に増加し、ターボブースト時のクロック周波数も高くなりました。
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各世代の主要モデルと特徴
ノートパソコン向けIntel CPUの各世代における代表的なモデルとその特徴を見ていきます。
第8世代では、Core i7-8565UがWhiskey Lake世代の代表格として登場し、4コア8スレッドで省電力性能が向上しました。第9世代になるとCore i7-9750Hが登場し、6コア12スレッドと処理能力が大幅に強化されています。
第10世代ではIce LakeアーキテクチャのCore i7-1065G7が登場し、内蔵グラフィックスの性能が飛躍的に向上。第11世代のCore i7-1165G7ではIris Xeグラフィックスが搭載され、さらなるGPU性能の向上を実現しました。
第12世代以降は、新ハイブリッドアーキテクチャの採用が特徴です。Core i7-1260Pでは、Performance CoreとEfficiency Coreの組み合わせにより、高い処理性能と省電力性能の両立を実現。第13世代以降のCPUではP-CoreとE-Coreの性能がさらに強化され、より高速な動作が可能となっています。
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世代別のおすすめモデル
ノートパソコン向けIntel CPUの世代別におすすめモデルを紹介します。
予算を抑えたい場合は第11世代のCore i5-1135G7がおすすめ。バッテリー効率に優れ、一般的な作業からライトな動画編集まで快適にこなせます。
動画編集やクリエイティブ作業が中心なら、第12世代のCore i7-12700Hがおすすめです。高性能コアと省電力コアの組み合わせにより、電源接続時は高い処理性能を、バッテリー駆動時は効率的な電力管理を実現します。
最新の第14世代では、Core i7-14700Hが注目のモデルです。AIアクセラレーション機能の強化により、画像・動画編集ソフトでの処理が大幅に高速化。さらにバッテリー効率も改善され、モバイルでのクリエイティブ作業にも好適です。コスパを重視するなら、同世代のCore i5-14500Hも魅力的な選択肢となるでしょう。
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AMD CPUとの性能比較
Intel CPUとAMD CPUのノートパソコン向けプロセッサーを比較すると、以下のような特徴があります。
価格帯 Intel CPU AMD CPU コア/スレッド 動作クロック 消費電力 ハイエンド Core i9-14900HX Ryzen 9 7945HX 24/32 vs 16/32 5.8GHz vs 5.4GHz 55W vs 55W ミドル Core i7-14700H Ryzen 7 7840HS 16/24 vs 8/16 5.5GHz vs 5.1GHz 45W vs 45W エントリー Core i5-14500H Ryzen 5 7640HS 12/16 vs 6/12 4.9GHz vs 4.9GHz 45W vs 45W 省電力 Core i7-1365U Ryzen 7 7840U 10/12 vs 8/16 5.2GHz vs 5.1GHz 15W vs 15W まず、コア数と処理性能については、ハイブリッドアーキテクチャの採用によりIntel CPUが優位です。特にハイエンドモデルでは、P-CoreとE-Coreの組み合わせによる高いマルチタスク性能が強み。一方、AMDのRyzenプロセッサーは単一コア当たりの処理効率が高く、特に3Dレンダリングや動画のエンコードなど、高負荷な作業で優れたパフォーマンスを発揮します。
次に、内蔵GPUについては、IntelのIris Xeグラフィックスが画像編集や軽いゲーミングで優位性を示していますが、AMDのRadeon グラフィックスも十分な性能を備えています。ハイエンドモデルではディスクリートGPUと組み合わせることが多いため、内蔵GPU性能の差は実用上あまり重要ではないでしょう。
価格性能比の観点では、AMD CPUの方が若干優位と言えます。特にエントリーモデルからミドルレンジにおいて、同価格帯のIntel CPUと比べてパフォーマンスが高いのが特徴。ただし、Intel CPUは安定性やソフトウエアの互換性で長年の実績があり、ビジネス用途では依然として高い信頼性を誇っています。
最後に消費電力に関して、両社とも効率的な電力管理を実現していますが、AMD CPUは特に軽負荷時の省電力性能に優れています。これは、リモートワークやモバイル作業が中心のユーザーにとって重要なポイントとなるでしょう。CPUを選ぶ際は、用途や予算に応じてそれぞれの特徴を見極めることが大切です。
Intel CPUの世代と用途別の選び方

Intel CPUの選び方は、用途によって大きく異なります。Webブラウジングや事務作業といった一般的な使い方から、動画編集やゲーミングといった高負荷な処理まで求められる性能はさまざまです。ここでは、主な4つの用途別に、最適なCPU世代の選び方を解説していきます。予算と性能のバランスを考慮しながら最適なCPUを選びましょう。
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一般的なパソコン利用
一般的なパソコン利用では、第11世代以降のCore i3やCore i5シリーズがおすすめです。Web閲覧、メールの送受信、Microsoft Officeソフトを使った作業のような基本的なタスクであれば、第12世代Core i3-12100や第13世代Core i5-13400でも十分な性能を発揮します。
最新世代にこだわる必要はなく、コスパを重視するなら第11~13世代のCPUを選ぶと良いでしょう。例えば、Core i5-1135G7でも日常的なパソコン作業であれば十分快適です。8GB以上のメモリーとSSDを組み合わせることで、予算を抑えつつ十分な実用性を確保することができます。
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動画編集
動画編集用のパソコンには、高いマルチコア性能を持つ第12世代以降のCore i7、Core i9シリーズがおすすめです。特に第13世代のCore i7-13700KやCore i9-13900Kは、多数のコアとスレッドを活用できる動画編集ソフトでの処理が高速で、4K動画の編集も快適に行えます。
第14世代では、Core i7-14700KがAI処理の強化により、エフェクト処理や書き出し時間を大幅に短縮可能。また、第12世代のCore i7-12700でも、フルHD動画の編集であれば十分な性能を発揮します。いずれの世代でも、動画編集の作業効率を重視するなら、Core i7以上のハイエンドモデルを選択するのがおすすめです。
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ゲーミングPC
ゲーミングPCでは、第13世代以降のCore i5やCore i7シリーズがおすすめです。特にCore i5-13600KやCore i7-13700Kは、高いシングルコア性能でFPSやアクションゲームの高速な処理に対応し、マルチコア性能も高いため、オープンワールドゲームでもスムーズな動作を期待できます。ゲームのジャンルや配信の有無、予算に応じて、適切な世代とモデルを選択しましょう。
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ビジネス用パソコン
ビジネス用パソコンには、安定性に定評のある第12世代以降のCore i5シリーズがおすすめです。特にCore i5-12500やCore i5-13500は、Excel、PowerPointなどのMicrosoft Officeソフトを快適に動作させつつ、Web会議やマルチタスクもスムーズにこなせます。
リモートワークが中心なら、省電力性能に優れた第13世代のCore i5-13500Hも適しています。また、大量のデータ処理を行う場合はCore i7-13700なども検討してみると良いでしょう。
Intel CPUの世代とWindows 11への対応状況

Intel CPUの世代を選ぶ際は、最新のWindows 11への対応状況も確認しておきましょう。Windows 11は第8世代以降のCPUを推奨していますが、世代によってサポート状況や実際の動作パフォーマンスが異なります。ここでは、Windows 11の動作に必要なスペックと、Intel CPU各世代の対応状況について詳しく解説します。
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Windows 11の推奨スペック
Windows 11 の推奨スペックは、CPUが第8世代以降のIntel Coreプロセッサー(または第2世代以降のAMD Ryzen)となっています。また、TPM 2.0への対応とセキュアブート機能が必須要件です。
メモリーは最低8GB以上が必要で、快適な動作には16GB以上が推奨されてます。ストレージについては、64GB以上のSSDまたはHDDが必須ですが、システムの応答性を考慮すると、NVMe SSDを使用するのが良いでしょう。
ディスプレイ解像度は1280×720以上が必要で、グラフィックスはDirectX 12対応のGPUとWDDM 2.0以上のドライバーが必要です。
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世代別のWindows 11サポート状況
Windows 11では第8世代以降のCore iシリーズ(Coffee Lake以降)が公式サポート対象となっています。第8世代以降であれば全ての機能が利用可能ですが、第7世代以前は原則としてサポート対象外となるため注意しましょう。現在使っているCPUが最新のOSに対応しているかどうかは、Windows PCヘルスチェックアプリで確認するか、CPUの型番から世代を確認することで判断できます。
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Windows 11を使用する際の注意点
Windows 11は第8世代以降のCore iシリーズが公式サポートの対象となっていますが、世代が古い場合はWindows 11の一部の機能を利用できない場合があるので要注意です。
例えば、CPUの世代が古いとWindows Studioエフェクト(背景ぼかしや自動フレーミングなど)やCopilotのAI機能が制限される場合があります。また、第11世代以前のCPUでは、DirectStorage技術によるゲームの読み込み高速化や、Windows SubsystemによるAndroidアプリの実行で十分な性能が得られないことも。古い世代のCPUを使用する場合は、定期的にWindows Updateを実行して互換性の問題に対処しておきましょう。
Intel CPUの選び方のポイント

Intel CPUを選ぶ際は、用途や予算に加えてマザーボードの互換性やCPUクーラーの選択など、複数の要素を考慮する必要があります。ここでは、最適なCPUを選ぶための重要なポイントを、具体的な例を交えながら解説していきます。
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用途に合わせたCPU選択
パソコンを快適に使用するためには、用途に合わせて適切なCPUを選ぶことが大切です。一般的なオフィス作業やWebブラウジングであれば、第11世代以降のCore i3やCore i5シリーズで十分です。一方、動画編集やストリーミング配信などのように、より高度な用途ではマルチコア性能に優れた第13世代以降のCore i7シリーズが好適。3DCGやゲーム開発などのクリエイティブ作業では、Core i9シリーズの高い処理能力が作業効率を大きく向上させます。用途を明確にし、必要十分な性能のCPUを選ぶことで、過剰な投資を避けることができるでしょう。
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予算とのバランス
CPU選びでは予算とのバランスも重要なポイントです。最新の第14世代や上位モデルは当然高性能なのですが、価格も高価です。用途によっては必ずしも最適解とは限らず、適切な選択が求められます。コスパに優れたモデルを選べば浮いた予算でSSDやメモリーの容量を増やすなど、システム全体のバランスを取ることができるので、限られた予算の中で最大限のパフォーマンスを引き出すためには、世代とグレードの組み合わせを慎重に検討することをおすすめします。
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マザーボードとの互換性確認
CPUとマザーボードの互換性確認は、パソコンのパーツ選びで最も重要なポイントの一つです。Intel CPUでは、第12世代以降はLGA 1700ソケット、第10・11世代はLGA 1200ソケット、第8・9世代はLGA 1151ソケットと、世代によって対応ソケットが異なります。ソケットが異なる場合は物理的に取り付けることができないので注意しましょう。
また、チップセットが非対応の場合はパソコンが起動しません。互換性はパーツメーカーのWebサイトやパソコンパーツ販売サイトの互換性チェックツールで確認できます。チップセットの非対応は、最悪の場合CPUやマザーボードの故障にもつながる可能性があるため、購入前に必ず互換性を確認しましょう。
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CPUクーラーの選択
CPUクーラーは、プロセッサーの性能を最大限に引き出すための重要なパーツです。第12世代以降の高性能CPU(Core i7、i9)では、高い発熱量に対応するため、大型タワー型の空冷か240mm以上の水冷クーラーが推奨されています。
一般用途のCore i5なら付属クーラーでも十分ですが、静音性を重視する場合はサイドフロー型がおすすめ。なお、第12世代以降ではLGA 1700対応の取り付けブラケットが必要なため、互換性の確認は必須です。
Intel CPUの購入方法

Intel CPUの購入方法には、オンラインのパーツ販売サイト、実店舗のパソコンショップ、そして中古品を扱う専門店など、さまざまな選択肢があります。それぞれに特徴やメリットがあり、用途や予算に応じて最適な購入方法を選ぶことが重要です。ここでは、各購入方法の特徴と注意点について解説します。
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パソコンパーツ販売サイトでの購入
オンラインのパーツ販売サイトは、豊富な品ぞろえと価格比較のしやすさが特徴です。大手販売サイトでは、最新のCPUから各世代の製品まで幅広く取り扱っています。実店舗より安価な場合が多く、レビューで性能や信頼性も確認できるのが魅力。ただし、初心者の場合は互換性の確認が重要なため、サイトのパーツ検索機能やサポート窓口を活用することをおすすめします。
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パソコンショップでの購入
実店舗では、店員からの直接的なアドバイスを受けられるのが大きなメリットです。実際に店舗に訪問して選ぶことで、用途に応じたCPUの選び方やマザーボードとの互換性など、細かな相談が可能。また、その場で在庫確認や取り寄せ対応もできるため、急ぎの購入にも対応してもらえる可能性が高いでしょう。保証やサポートも充実しており安心感があります。
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中古CPUの購入と注意点
中古CPUは新品と比べて大幅に安価で購入できますが、いくつかの注意点があります。まず、信頼できる販売店を選び、製品の使用履歴や動作保証の有無を確認しましょう。また、ピン折れや破損がないか、写真で必ず確認することをおすすめします。世代が古いモデルは最新OSやソフトウエアとの互換性に制限がある場合もあるため、事前の確認が重要です。可能であれば中古は避け、新品で購入することをおすすめします。
まとめ
Intel CPUの世代選びは、用途と予算のバランスが重要なポイントです。最新の第14世代は高性能で幅広い用途で高い性能を発揮しますが、そこまで高性能は求められていないケースも多々あります。一般的なパソコン利用なら第11世代以降、動画編集やゲーミングなら第12世代以降のCore i5やi7シリーズで十分な性能を得られるでしょう。 選択の際はマザーボードとの互換性確認が必須で、適切なCPUクーラーの選択も重要です。また、Windows 11への対応状況も考慮し、世代やグレードを慎重に検討しましょう。必要十分な性能のCPUを選ぶことで、コストパフォーマンスの高いパソコン環境を実現することができます。