ゲーミングPCのメモリーの役割や種類を徹底解説！

ゲーミングPCがスムーズに処理できるようにするためには、メモリーの容量が十分でなければなりません。先程解説したように、メモリーの容量が不足すると、処理に時間がかかりスムーズにゲームができなくなるからです。

ただし、メモリーの大きさが大きければ大きいほど、ゲーミングPCの操作性が上がるわけではありません。メモリーによりCPUやGPU（グラフィックボード、映像処理のためのパーツ）の性能を高めることはできないため、いくらメモリーが大きくても処理速度には限界があります。

CPUやGPUなど他のパーツの性能、遊びたいゲームが必要とするメモリー容量を確認し、最適な容量を用意することが重要です。そうすれば、動作がもたつく、挙動が遅い、動きがカクつく、といったことがなく、快適にゲームをプレイできるでしょう。

よく使用される主流のメモリーとしてDDR4がありましたが、さらに新しく性能が上がったDDR5が普及しつつあります。

DDR4とDDR5はピンの数が288ピンと同じではありますが、切り欠きの部分に違いがあり、互換性はありません。そのため、DDR4が取り付けられているマザーボードにDDR5を搭載することはできず、DDR4利用者がDDR5を使うためにはマザーボードごとの交換が必要です。

また、CPUによっても対応できるメモリーの種類が異なります。AMD社のRyzen 7000シリーズはDDR5メモリーのみ対応しています。一方、Intelの第14世代Coreプロセッサーは、CPU自体はDDR4・DDR5の両方に対応していますが、マザーボード側がどちらか一方にしか対応していないため注意が必要です。

近年はDDR5対応の製品が主流になりつつあり、DDR4マザーボードの選択肢は徐々に減少しています。新規に組む場合は、将来性を見据えてDDR5対応構成を選ぶのが一般的です。

パソコンのメモリー容量は、用途に応じて適切なサイズを選ぶことが重要です。例えば、文書作成やインターネット閲覧などの軽作業なら8GBでも対応可能ですが、ゲームや画像編集などを快適に行いたい場合は16GBが推奨されます。さらに動画編集や3Dモデリングといった重い作業では32GB以上が理想的です。

近年はアプリやOSの要求スペックが高くなっており、将来的な利用も考慮すると、最低でも16GBの搭載をおすすめします。購入前に自分のプレイスタイルと予算を考慮し、用途に合った容量を選択しましょう。

近年のPCゲームはグラフィックの進化に伴い、メモリー使用量も増加しています。『Starfield』や『ホグワーツ・レガシー』などのAAAタイトルでは、ゲーム単体でも16GB近くを消費するケースがあります。さらに、配信ソフトやブラウザ、チャットアプリなどを併用するマルチタスク環境では、16GBでは不足しやすく、パフォーマンスの低下を招くこともあります。

32GBのメモリーがあればこうした負荷にも余裕をもって対応でき、快適なプレイ環境を維持しやすくなります。最新ゲームと複数アプリの併用を前提にするなら、より多くのメモリーを検討し、快適なプレイ環境を確保しましょう。

ゲームやアプリの進化により、必要なメモリー容量は年々増加傾向にあります。現在は16GBが主流ですが、最近のゲームはより高精細なグラフィックや複雑な処理を行う傾向があり、今後もメモリーの要求は高まると考えられます。さらに、AI機能を活用したゲームやアプリの普及も、メモリーの使用量増加に拍車をかける要因です。そのため、長期的に快適なパフォーマンスを維持したい場合は、32GBの搭載を検討するのがおすすめです。

特にデスクトップパソコンであれば増設の自由度が高く、後から対応しやすいというメリットがあります。また、DDR4からDDR5への移行も進んでいるため、購入時は対応規格を確認することも大切です。今後の使用状況や対応ソフトのスペック表示を参考に、段階的なアップグレード計画を立てましょう。

ゲーミングPCでゲームを楽しむためには、メモリー8GBは最低限必要です。メモリーが8GBあれば、ゲームを起動し楽しむことはできるでしょう。人気が高いFortniteやApexなども、メモリー8GBのゲーミングPCであれば十分プレイできます。

ただし、8GBはあくまでエントリー向けで、動作が軽いゲームや低画質設定に最適です。大規模なオープンワールドゲームや最近の重量級タイトルでは、読み込みの遅延や動作のもたつきを感じることがあります。

ただ、0.01秒の精度でゲームをしたい人、ゲームだけではなくボイスチャットも同時に行いたい人にとっては不十分かもしれません。また、最近ゲームとして主流になってきた美しいグラフィックスを高画質で楽しみたい時にも、8GBでは物足りなく感じる人も多いでしょう。

メモリーの容量が大きくなると価格も上がってしまいますが、ゲームを十分に楽しむためには8GBよりも16GB以上のものをおすすめします。

現在販売されているゲーミングPCでは、メモリー16GBのものが多い傾向にあるでしょう。

16GBあれば大半のゲームはプレイできますし、ゲーミングPCの能力として十分といえます。ゲームをしながらチャットツールで会話を楽しんだり、インターネットを見たりと、他の作業と平行することもできるようになります。

メモリー16GBは、現在のゲーミングPCにおける「標準構成」として多くのモデルで採用されており、バランスの取れた容量です。中〜重量級のゲームにも対応でき、一般的なプレイヤーにとっては最も現実的な選択肢といえるでしょう。

メモリーが32GB以上となるとスペックが上がりゲーミングPCの価格が上昇します。ゲーム目的でパソコンを使用する時、32GB以上のメモリーが必要となる場面もさほど多くはありません。

ただ、16GBよりも32GBのメモリーの方がパフォーマンスが向上することも事実です。16GBでも十分ではありますが、よりゲームや周辺ソフトを楽しみたいのであれば、32GB以上のものを検討しましょう。

メモリー32GBのゲーミングPCは、16GBの次に種類が多くあります。

先程も説明しましたが、ゲームを楽しむことが主目的な人にとっては、メモリー16GBあれば十分でしょう。

一方で、32GBは重量級ゲームを快適にプレイしたい人や、ゲーム実況・録画・動画編集などを並行して行いたいユーザーに適しています。また、OBSやディスコード、ブラウザを同時に立ち上げるなど、複数アプリの同時使用にも余裕があります。

32GBのメモリーが必要となるのは、チャットをしながらゲームを行い、それをインターネット配信したい、というような人です。また、0.01秒の精度でゲームを行うような人も32GBはあった方が良いでしょう。

その他、ゲームだけではなく、3DCGモデリングやアニメーションを多用した動画作成をする人も、メモリーは32GBあると安心です。

ただし、32GBもあるメモリーを生かすためには、CPUやGPUも高性能でなければ意味がないため、注意して下さい。

ゲーミングPCの中にはメモリー64GBを搭載しているものもあります。プロゲーマーなどゲームを本格的に行う人の中にはメモリー64GBを選ぶ人もいますが、ほとんどの場合64GBものメモリーは必要ありません。ゲームをプレイするだけであるならば、メモリー64GBはオーバースペックです。

実際に、64GBのメモリーを搭載したゲーミングPCの種類は、16GBや32GBに比べると種類が限られます。高負荷なクリエイティブ用途や、AIによる生成処理、ゲームの実況配信・録画を同時に行うような作業、仮想マシンの起動など、専門的な用途に応じて必要とされることが多いです。

初めてゲーミングPCを購入する人、ただゲームを楽しみたい人にとっては、このような高スペックのものは必要ないケースが多いでしょう。

パソコンに搭載できるメモリー容量は、デスクトップとノートパソコンで大きく異なります。デスクトップは本体内部に十分なスペースがあるため、4スロット構成が一般的で、64GB～128GBといった大容量にも対応できます。ゲームや動画編集、3D制作など、メモリーを多く消費する用途にも柔軟に対応できるのが特徴です。

一方、ノートパソコンは2スロットが主流で、最大でも32GB～64GB程度が上限となることが多く、用途によっては拡張性に限界があります。さらに、ノートでは一部の機種でメモリーがマザーボードに直付けされており、増設や交換ができない場合もあります。こうした制限を考えると、将来的にスペックを強化したい場合は、拡張性の高いデスクトップの方が適していると言えるでしょう。

メモリーの増設や交換を検討する際には、パソコンの物理構造やスロットの配置にも注目する必要があります。デスクトップパソコンは筐体が広く、サイドパネルを外すだけでマザーボード上のメモリースロットにアクセスできるため、初心者でも比較的簡単に作業が行えます。スロット数も多く、空きスロットがあれば既存のメモリーに追加するだけで増設が可能です。

対してノートパソコンは、内部構造がコンパクトな上、底面カバーの分解が必要な機種がほとんどです。一部のモデルでは専用ドライバーが必要だったり、分解により保証が無効になったりするケースもあります。また、メモリーが最初から直付けされていてスロット自体が存在しない機種では、ユーザーが増設することは不可能です。

まずは、本当にメモリーの増設が必要なのかよく考えてみましょう。

パソコンの動作が重く動きづらい時でも、ウイルス感染やストレージ不足など、原因はメモリーではないことがあります。特に使用年数が長くなると、マザーボードをまるごと買い替えた方が良いケースも少なくありません。そのような状況でメモリーだけ買い替えても、無駄になってしまいます。

既に使用年数が10年近くになるようであれば、ゲーミングPC自体の買い替えを検討して下さい。なお、メモリーの使用状況は、タスクマネージャーの［パフォーマンス］タブ→［メモリ］で確認できます。使用率が常に高ければ、増設の効果が期待できるでしょう。

メモリーの取り付けや取り外しは、正しい手順で行うことが重要です。作業前には必ず電源を切り、電源ケーブルを抜いて静電気対策を行いましょう。デスクトップの場合は、メモリースロットのレバーを外側に開き、モジュールを垂直に挿し込んでからしっかり固定します。

ノートパソコンは、裏面パネルのネジを外してスロットにアクセスする必要があります。取り外す時も同様に、レバーを開いて慎重に引き抜きましょう。作業方法は製品によって異なるため、事前に取扱説明書などで方法を確認することをおすすめします。

メモリーを増設しても正常に認識されない場合は、相性問題が発生しているかもしれません。特に異なるメーカーや規格のメモリーを混在させると、不具合が起きやすくなります。購入前にマザーボードの対応表や公式サイトの情報を確認しましょう。

取り付け後は、BIOSで容量が正しく表示されているかを確認し、OS上でも認識されているかチェックします。さらに、MemTest86などのフリーソフトを使えば、メモリーのエラーを検出できます。トラブルを未然に防ぐためにも、相性の良い製品を選び、動作確認を丁寧に行うことが大切です。

Lenovo 8GB DDR4 3200MHz UDIMM メモリー 2

容量	8GB
重さ	15 g
サイズ（高さ×長さ×奥行）	約30.0 mm×69.60 mm×1.2 mm
接続タイプ	UDIMM

DDR4シリーズのメモリーです。容量は8GBなので、メモリーは8GB、もしくは2枚使用して16GBにしたい、という人におすすめです。転送速度は3200MHzと特段高速というわけではありませんが、コスパに優れ、ゲームをするのに十分な転送速度でしょう。

メモリーは多ければ多いほど良いわけではありません。現在のゲーム用途では16GBが標準的で、32GBあれば動画編集や配信などのマルチタスクにも対応できます。ただし、ゲームやアプリが使用しない分の容量は無駄になってしまいます。用途に対して過剰なメモリーを搭載しても、性能向上は見込めないため、価格や使用目的を踏まえて、バランスの取れた容量を選ぶことが大切です。

DDR5は最新のメモリー規格です。DDR4に比べて省電力性に優れ、転送速度や帯域幅が大きく向上しています。ただし、価格は高めで、対応マザーボードやCPUも限られます。一方、DDR4は価格が安定しており、現行ゲームにも十分な性能を発揮します。今後のアップグレードを視野に入れるならDDR5も選択肢ですが、コストを抑えつつ実用性を重視するならDDR4がおすすめです。

メモリーが不足している場合、増設によってゲームのロード時間が短くなったり、カクつきが改善されたりする効果があります。特に、既存メモリーが8GB以下の場合や、バックグラウンドで複数アプリを使う環境では大きな効果が大きいです。ただし、既に必要容量を満たしている場合は、増設しても大きな変化は感じられないこともあります。現在の搭載量や使用状況を確認し、ボトルネックになっていないかを見極めた上で増設を判断することがポイントです。

自作パソコンやBTOパソコンは、増設の自由度が高く、スロットの空きや内部構造が分かりやすいため、メモリーの追加が比較的容易です。対して既製品のパソコンは、ケースが狭かったり、スロットが空いていなかったり、マニュアルでの確認が難しいこともあります。また、メーカーによっては増設することでサポートの対象外となってしまう場合もあるため注意が必要です。