こだわりが詰まった<Yoga Slim 760 Carbon>を仕事やプライベートで使ってみた
画像処理もらくらくなハイパフォーマンスや広色域OLEDはクリエイティブ用途にも最適!

2022/5/19
文 山口優 / 編集 村野晃一(ASCII)

レノボの<Yoga Slim 760 Carbon>は、本体にカーボンファイバー素材を使用して軽量性と堅牢性を両立した14.0型ノートPCZen 3世代のAMD Ryzen 5000シリーズを採用し、DCI-P3 100%の広色域OLEDやDolby Atmos対応高音質スピーカーを搭載するなど文句のつけようがないスペックを誇っている。
今回は、<Yoga Slim 760 Carbon>を筆者が実際に仕事やプライベートで使ってみて便利に感じた"こだわりポイント"を紹介していこう。
目次
主なスペック | |
---|---|
プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 5800U モバイル・プロセッサー(1.90GHz/最大4.40GHz) |
OS | Windows 11 Home 64bit |
グラフィックス | AMD Radeon™ グラフィックス(内蔵グラフィックス) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe NVMe/M.2) |
ディスプレイ | 14.0型 2.8K(2880×1800ドット)OLED |
通信規格 | 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth v5.1 |
インターフェース | USB 3.0(Type-C)、 USB 3.1(Type-C、Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)×2、 マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック |
サイズ/重量 | およそ幅313.0×奥行214.5×高さ14.9mm/約1.1kg |

【こだわりポイント1】
ディスプレイを開いたらすぐに使い始められる
ノートPCを使っていて面倒に感じるのが、起動時のひと手間。ディスプレイを開いたあと、電源を入れ、パスワードを入力してログインする必要がある。ひとつひとつは大した労力ではないものの、積み重なると意外にストレスで、「これくらいの作業なら、わざわざノートPCを開かなくてもスマホやタブレットを使った方が手っ取り早いかな」と思ってしまうことがちょくちょくある。
<Yoga Slim 760 Carbon>を使っていて便利に感じたのが、その 起動時のひと手間を省略できるところ。ディスプレイを開いたらスイッチを押さなくても自動的に電源が入り、ログイン画面が表示される(一応、電源スイッチは用意されている)。ディスプレイ上部にはWindows Hello対応のIRカメラが内蔵されているため、事前に登録しておけばパスワード入力せずとも顔認証でログインすることが可能。つまり、 ディスプレイを開いたらまったく手を触れなくてもすぐ使い始められる。
実際に顔認証機能を使って、電源オフの状態からデスクトップが表示されるまでを計測してみたところ、わずか10秒ほどしかかからなかった。スリープからの復帰なら1~2秒。これならSNSで急いでリプライしたいときも、スマホじゃなくPCを使おうという気になれる。


ちなみに、オートロック機能も搭載されており、画面をロックせずにPCの前から離れた場合でも、一定時間経ったら自動的に画面をオフにすることができる。その状態でユーザーがPCの前に戻ると自動検知してロック解除してくれる。会社のオフィスや出先で使用する際にとても便利だ。

【こだわりポイント2】
ページのスクロールが滑らかで見やすい
<Yoga Slim 760 Carbon>の特徴として、 色再現性に優れたOLED(有機EL)を採用していることが挙げられるが、その画質のよさを語る前に触れておきたいのがリフレッシュレートの高さだ。一般的なディスプレイの60Hzよりも高い90Hzに対応しており、カーソルの動きやページのスクロールが非常に滑らか。とくにWebブラウジングする際や、ペンタブレットをつなげてお絵描きするようなときなどに、その恩恵を感じることができる。残像やちらつきが少ないため 目が疲れにくく、細かい作業もしやすい。長いストロークもスムーズに描きやすい。数字の上では30Hzしか変わらないが、実際に使い比べてみるとその差は思った以上にある。
高リフレッシュレートというと、ゲーマー向きの機能だと思う人もいるかもしれないが、日常的な用途やクリエイティブ用途でもメリットは大きい。なくてはならない機能とまではいえないものの、より快適な作業環境を手に入れたいのであれば、製品選びの際に検討する価値はあると言えそうだ。


【こだわりポイント3】
色域が広く高精細でHDR対応のOLEDを搭載
ディスプレイは14.0型のOLEDが採用されている。解像度は2.8K(2880×1800ドット)で、アスペクト比は16:10。現在主流の16:9のディスプレイに比べて縦の情報量が少し多くなっているため、Web閲覧や写真編集、Wordを使った文書作成などは作業しやすく感じる。

色域はデジタルシネマの標準規格であるDCI-P3を100%カバーしており、一般的なディスプレイに比べるとかなり広い。実際、色再現性は高く、漆黒から原色のようなあざやかな色までリアルに再現される。
プリインストールされているソフト、X-Rite Color Assistantを使えば、カラープロファイルを選択して作業環境にマッチした色域を適用することもできる。用意されているプロファイルは、DCI-P3のほか、コンピューターの標準規格であるsRGB、印刷業界などで用いられることの多いAdobe RGB、HDTV向けのRec.709などで、それぞれ選ぶとガンマ値や輝度、RGB値などが最適化される。そのため、紙媒体とWebコンテンツを同時に制作するときのように、媒体によって異なる色域を意識しながら作業したい場合にとても便利。 クリエイティブ用途には心強い機能だ。


さらに本機はHDR規格のひとつ、Dolby Visionをサポートしており、対応コンテンツなら明暗差の大きなシーンをよりダイナミックに再現することも可能。実際にHDRに対応した動画を再生してみたが、まるで肉眼で現実の風景を見ているようなリアルさを感じることができた。とくに逆光のシーンなどは効果を体感しやすい印象だ。
ちなみにスピーカーも高音質で、Dolby Atmosに対応しており臨場感のあるサウンドを楽しむことができる。動画ストリーミングなどを視聴するには、まさにうってつけの製品といえるだろう。

【こだわりポイント4】
Zen 3世代のAMDRyzen 5000シリーズを搭載
<Yoga Slim 760 Carbon>はプロセッサーにZen 3アーキテクチャを採用したAMD Ryzen 5000シリーズを採用しているのも大きな特徴。下位モデルが6コア12スレッドのRyzen 5 5600U、上位モデルが8コア16スレッドのRyzen 7 5800Uを搭載しており、 マルチスレッド性能が非常に高い。シングルスレッド性能も従来から大幅に強化されており、ライバルのインテルCoreプロセッサーに負けないパフォーマンスを実現している。今回はRyzen 7 5800Uを搭載した上位モデルを試したが、写真編集や基本的な動画編集なら快適に行うことが可能だった。
たとえば写真現像ソフトのAdobe Lightroom Classic CCの場合、20M画素(5184×3888ドット)のRAW画像100枚を現像した時間と、4倍相当の解像度(10368×7776ドット)に高画質化する「スーパー解像度」を適用した際の時間を計測したところ次の結果になった。
Lightroom Classicでの処理時間 | |
---|---|
RAW現像 | 1分23秒82 |
スーパー解像度 | 31分27秒85 |
RAW画像の現像であれば、1枚あたり1秒以内で現像できることがわかる。負荷の高いスーパー解像度でも1枚あたり20秒もかかっていない。これくらいサクサク処理できると、とりあえずRAWで撮っておき、あとでまとめて補正してJPEGなどに書き出すというフローも気軽に行える。
続いて、画像編集ソフトのPhotoshop CCで10M画素(3648×2736ドット)の画像を開き、機械学習(Adobe Sensei)を利用した重めの処理をいくつか実行して処理時間を計測してみた。
Photoshopでの処理時間 | |
---|---|
被写体の選択 | 4秒72 |
オブジェクトファインダー | 4秒70 |
ニューラルフィルター (JPEGのノイズを削除:高) |
1分5秒91 |
「被写体の選択」は被写体を自動選択してくれる機能で、「オブジェクトファインダー」は画像に含まれる複数のオブジェクトを抽出してくれる機能、ニューラルフィルターの「JPEGのノイズを削除」は、JPEG画像のノイズを除去してくれる機能。いずれもPCによっては処理に時間がかかって待たされることのある機能だが、本機の場合はあっという間に処理が完了してしまった。この結果を見ると、クリエイティブ用途に使いたいと考えている人にも頼もしい選択肢となる製品だと言えそうだ。

エンタメやクリエイティブ用途には特におすすめ
堅牢性の高い薄型軽量ボディーに広色域OLEDや高性能プロセッサーを搭載した<Yoga Slim 760 Carbon>。 ディスプレイを開くだけで自動的に電源が入るフリップ・トゥ・ブートや、顔認識を利用したゼロタッチログインなど使い勝手に優れているのも特徴で、仕事からプライベートまで幅広いシーンで快適に使用することが可能だ。とくにクリエイティブ用途やエンタメ用途にはピッタリ。写真・動画編集に使える高性能なノートPCを探している人や、きれいな画面で動画を楽しみたい人は、ぜひ注目してみてほしい製品だ。
主なスペック | |
---|---|
プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 5800U モバイル・プロセッサー(1.90GHz/最大4.40GHz) |
OS | Windows 11 Home 64bit |
グラフィックス | AMD Radeon™ グラフィックス(内蔵グラフィックス) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe NVMe/M.2) |
ディスプレイ | 14.0型 2.8K(2880×1800ドット)OLED |
通信規格 | 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth v5.1 |
インターフェース | USB 3.0(Type-C)、 USB 3.1(Type-C、Power delivery対応、DisplayPort出力機能付き)×2、 マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック |
サイズ/重量 | およそ幅313.0×奥行214.5×高さ14.9mm/約1.1kg |