約986gの衝撃、切れ味鋭いエッジが光る「AI時代のThinkPad」―今売れているThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionをひも解く

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約986gの衝撃、 切れ味鋭いエッジが光る 「AI時代のThinkPad」 ―今売れている ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionをひも解く

30年のその次を見据え、進化を続けるThinkPad

30年のその次を見据え、進化を続けるThinkPad

ノートパソコンの歴史を作り、今年33周年を迎えたThinkPad。その最新モデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」が10月に登場した。ThinkPadらしい堅牢性を確保しながら、ついに1kgを切る軽量ボディを手に入れたのだ。

インテルとレノボが共同開発したモデルであることを示す「Aura Edition」を冠したモデルであり、新世代の使用感も確保。AI時代の要件を満たした、妥協のない性能のパソコンを探している人に対して最初に勧めたい製品だ。

今回は、本気で作業の効率化を図りたい人に向けて「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」を紹介しよう。

レノボ・ジャパンの14型ノート「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」。最軽量モデルはわずか約986gだ
レノボ・ジャパンの14型ノート「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」。最軽量モデルはわずか約986gだ
「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」の主なスペック
OS Windows 11 Home(64bit)/Windows 11 Pro(64bit)
ディスプレイ 14型2.8K OLED(有機ELディスプレイ。2880×1800ドット、16:10)
CPU インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー (シリーズ 2) 258V
グラフィックス インテル® Arc™ 140V(CPU内蔵)
メモリー 32GB(LPDDR5x、オンボード)
ストレージ 1TB SSD(PCIe NVMe、OPAL2.0対応)
無線機能 Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
Webカメラ FHD 1080p(プライバシーシャッター付き、IRカメラに対応)
駆動時間 動画再生時:約11.6時間、アイドル時:約14.5時間(JEITA 3.0)
インターフェース USB4(Thunderbolt 4対応)×2、USB 3.2 Gen1×1、USB 3.2 Gen1(Powered USB)×1、HDMI×1、
マイク/ヘッドホンコンボ端子×1
センサー 指紋センサー
サイズ 幅312.8×奥行214.75×高さ8.08(前端)/14.37(後端)、最厚部16.95mm
重量 約986g~
直販価格 28万6880円から

ThinkPadは、目的/用途に応じて様々なモデルがラインナップされている。今回レビューする「ThinkPad X1 Carbon」は携帯性と使い勝手を高い次元で両立した、モバイルノートPCのフラッグシップモデルだ。

ノートパソコンという「道具」が登場した黎明期に、日本アイ・ビー・エムからThinkPadは生まれた。ある意味、ノートパソコンとThinkPadの歴史はほぼ重なっているといっていい。「相棒として持ち運べ、開いた場所がオフィスになる」……というコンセプトを、レノボ傘下となり、32周年を迎えたThinkPadは継承しており、いまも進化を続けているのである

対面の人と同時に画面を見ながら操作できる180度開くディスプレイも、ThinkPadシリーズのアイデンティティーのひとつ
対面の人と同時に画面を見ながら操作できる180度開くディスプレイも、ThinkPadシリーズのアイデンティティーのひとつ

No Compromise(妥協することなく)を体現した 第13世代のX1 Carbonとは?

2012年にファーストモデルが登場したX1 Carbonはついに13世代目に到達。最新版はインテルとレノボが共同開発したことを指す「Aura Edition」であると同時に、プロセッサーに「Core Ultra(シリーズ2)」を採用した「Copilot+ PC」でもある。つまり、インテル、マイクロソフト、レノボの3者が交わった、IT業界における「ド定番」の製品といえる

左パームレストには「Lenovo AURA EDITION」という文字が記されている
左パームレストには「Lenovo AURA EDITION」という文字が記されている

一方で、時代ごとの究極のモバイルノートPCとして開発されてきたX1 Carbonは、高い剛性を確保しつつ、さらなる軽量性を実現するべく注力してきた。今回、その努力が結実し、作業効率が高い14インチの大画面ディスプレイを備えつつ、重量は前モデルから100g強も削ぎ落とし、ついに1kgを切る986gボディーを実現した。

大幅な軽量化に成功しつつも、天板やボトムの形状、構造を見直し、厚みは前端8.08/後端14.37mm(最厚部で16.95mm)を実現。軽量化、薄型化する際にもバッテリー容量は維持されているので、スタミナ性能は犠牲となっていない。ビジネス特化型マシンだからこそ、ポート(端子)類には新旧インターフェースが充実している。

もちろん生成AIアシスタント「Copilot」をワンプッシュで呼び出すための「Copilotキー」が搭載。今後訪れる数年先のAI全盛期に戦えるスペックを備えているのだ。

天板やボトムの形状、構造が見直された
天板やボトムの形状、構造が見直された
天板やボトムの形状、構造が見直された
右側面
右側面には電源ボタン、マイク/ヘッドホンコンボ端子×1、USB 3.2 Gen1、HDMI、ケーブルロックスロットを搭載
左側面
左側面にはUSB 3.2 Gen1、USB4(Thunderbolt 4対応)×2を用意
電源ケーブル
同梱される「65W スリム GaN ACアダプター」も薄型、軽量。電源ケーブルをプラグに変更すれば、さらにコンパクトに持ち運べる

ThinkPadがCopilot+ PCである意味

すべてのアプリの音声を文字起こし&翻訳する「ライブキャプション」、ラフなイラストから画像を生成する「ペイントコクリエイター」、過去の情報を検索する「リコール」(2025年1月23日現在ではInsider Previewでのみ提供)などのWindows 11の「生成AI機能」を使いこなせるのがCopilot+ PCのアドバンテージ。

Copilot+ PCを名乗り、独自機能を実装するための最小システム要件としては、40TOPS以上のNPUを内蔵したプロセッサーを採用していることは有名だ。

電源ケーブル
カーソルキー左側には、指紋認証センサーを挟んで、「Copilotキー」が配置

しかし、厳密な「セキュリティ要件」があることは意外と知られていない。プリインストールされたWindows 11上で最先端のセキュリティー機能を有効化する「Microsoft Secured-Core PC」など、標準で対応しなければならないベースラインが上がっているのである。

先進AI機能と同じぐらい、安心かつ安全に使えるパソコンであることがCopilot+ PCの長所。これはThinkPadが提供してきたセキュリティ、プライバシーを重視する世界観とも合致している。

また、今回のAura Editionでは即応性も向上している。これまで少々わかりにくかった、深い階層にある設定の変更も、ボタン操作で立ち上がる「ダッシュボード」から簡単にできるように改善。さらに、F8キーのワンプッシュでいつでも起動できる「スマート・モード・ウィジェット」からは、「シールド」、「重要」、「コラボレーション」、「ウェルネス」などのモードを素早く切り替え可能だ。例えば「シールド」モードを有効化すると、あらかじめ設定したVPNに接続するといった動作をワンステップで行える。

「Lenovo Commercial Vantage」による、パフォーマンスの制御、BIOSを含むソフトウェアのアップデートなどの使いやすさには定評がある。これらLenovo独自のソフトウェア群のユーザーインターフェースはさらに進化したといえるだろう。

機能を集中管理する
ThinkPadの機能を集中管理する独自ソフトウェア「Lenovo Commercial Vantage」
F8キー
F8キーを押すと「スマート・モード・ウィジェット」が起動する。アイコンをクリックするだけでモードの内容を素早く切り替えられる
各モードの詳細は「Lenovo Commercial Vantage」で設定可能
各モードの詳細は「Lenovo Commercial Vantage」で設定可能

14時間以上のバッテリー駆動時間(アイドル時)で 長時間の持ち運びに対応、急速充電もサポート

「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」は、動画再生時:約11.6時間、アイドル時:約14.5時間(JEITA 3.0)ものバッテリー駆動が可能だ。これは、搭載CPUのCore Ultra 7 258Vをはじめ、「Core Ultra(シリーズ2)」が前世代よりも低消費電力・低発熱を特徴としているためだ。これだけ長時間駆動できるなら、ビジネスタイムの間は充電なしで使い続けたり、持ち運んだりできる。うっかり充電し忘れてバッテリー切れで困るということは減るはずだ。

一方、コマメに充電したい人向けには、「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」が急速充電をサポートしていることを挙げておきたい。満充電に要する時間は約1.9時間(パワーオフ時)と短く、スキマ時間を見つけて充電すれば、やはりバッテリー切れの心配はなくなるだろう。

また先に挙げた「スマート・モード・ウィジェット」の「エコモード」では、アイコンをクリックするだけで消費電力とパフォーマンスのバランスが自動的に最適化される。高い性能が必要な場合は「最高のパフォーマンス」を選択し、バッテリー駆動時間を長くしたい場合は「最適な電源効率」を選択するなど、手軽に切り替え可能だ。

電力効率
「スマート・モード・ウィジェット」の下部にある3つのアイコンをクリックするだけで、モードを切り替えられる。左から、「最適な電力効率」「平衡型」「最高のパフォーマンス」だ
それぞれのモードの内容は、「Lenovo Commercial Vantage」で確認できる
それぞれのモードの内容は、「Lenovo Commercial Vantage」で確認できる

本物の仕事をするならX1 Carbon

最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。今回定番ベンチマークを実施したところ、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」では、CPUの1コアあたりの性能(シングルスレッド性能)を測るCPU(Single Core)は「1865pts」、CPUの全コアの性能(マルチスレッド性能)を計測するCPU(Multi Core)は「10674pts」となった。3Dベンチマーク「3DMark」のTime Spyは「4355」、Fire Strikeは「8909」、Port Royalは「2030」、Wild Lifeは「28099」だ。

配置
今回借用したX1 CarbonはCPUに「Core Ultra 7 258V」を採用。メモリーは32GB(LPDDR5X-8533)、ストレージは1TB(PCIe Gen5 x4接続SSD)を搭載している
CPUベンチマーク
CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は「10674pts」、CPU(Single Core)は「1865pts」
解像度
3Dベンチマーク「3DMark」のTime Spyは「4355」。WQHD(2560×1440ドット)解像度のDirectX 12系テストだ
フルHD
フルHD(1920×1080ドット)解像度を想定したDirectX 11系テストのFire Strikeは「8909」
Port Royal
Port Royalは「2030」。WQHD(2560×1440ドット)を想定した、レイトレーシング(Direct X Raytracing、DXR)テストとなっている
Wild Life
Wild Lifeは「28099」。WQHD(2560×1440ドット)をターゲットとするVulkan系テストだ

また「Procyon」のAIベンチマーク「AI Computer Vision Benchmark」のスコアは「968」、総合ベンチマーク「PCMark 10」の総合スコアは「7075」という結果だ。

ThinkPadシリーズは優れた熱設計に定評があり、同じプロセッサーを搭載したノートパソコンのなかでは上位クラスの処理性能を発揮する。実際、今回のCPUベンチマーク、3Dベンチマークでは、「Core Ultra 7 258V」搭載機として最大値に近いスコアを記録している。一般ビジネスアプリだけでなく、クリエイティブ系アプリなども快適に動作可能なパフォーマンスを備えているといえる。

「Procyon」のAIベンチマーク「AI Computer Vision Benchmark」のスコアは「968」
「Procyon」のAIベンチマーク「AI Computer Vision Benchmark」のスコアは「968」
総合ベンチマーク
総合ベンチマーク「PCMark 10」の総合スコアは「7075」。Essentialsは「10515」、Productivityは「9080」、Digital Content Creationは「10066」

また、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.5」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は「13516.592 MB/s」、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は「10480.504 MB/s」となった。

ストレージ速度は、最新のPCIe Gen5 x4接続SSDを搭載しているだけに、リードは1.3万超え、ライトは1万超えのスコアだ。PCIe Gen4 x4接続SSDを大幅に凌駕するX1 Carbonのストレージ性能は、OS、アプリの体感速度にも大きく寄与するだろう。

ストレージ
ストレージはPCIe Gen5 x4接続SSD「SKHynix_HFS001TFM9X179N」を搭載しており、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.5」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は13516.592 MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は10480.504 MB/s

バッテリー容量57Wh、1kg切りのモバイルノート 欲しい人に強くお勧め

なお、「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」には「Core Ultra(シリーズ2)」のプロセッサーが採用されているわけだが、ディスプレイ輝度、ボリューム40%の設定で、バッテリーを20%消費するまでYouTube動画を再生させたところ、2時間38分42秒動作した。つまり仮にバッテリー残量0%まで動作させた場合には、単純計算で10時間34分48秒動作することになる。

バッテリー容量57Wh、1kg切りのモバイルノートPCとしては脅威のバッテリー駆動時間だ。省電力性能に定評のあった「Core Ultra(シリーズ 1)」と比べても長いバッテリー駆動時間である。

今回のベンチマークでは、「Core Ultra(シリーズ2)」という最新プロセッサーの処理性能を最大限に引き出していることを確認できただけでなく、ピークパワーを維持する冷却性能、省電力性能など、ThinkPadがこれまで培ってきた信頼性、安心感を改めて実感した結果となった。

戦闘力高めのフラッグシップThinkPadが 欲しい人に強くお勧め

「Copilot+ PC」&「Windows 11」の「24H2アップデート」では、Insider Previewで「リコール」がついに実装され、検索機能が改善されるなど見どころが多めだ。現在のWindows 11の最新機能を存分に活用するためには、「Copilot+ PC」であることが最適解なのである。

そのような状況の中、先進のAI機能を先取りしつつ、これまでのThinkPad独自のセキュリティ、プライバシー、ユーザビリティーなどの体験を損なわずに、長年の蓄積に裏付けされた高性能を享受できる「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」は本当に魅力的だ。

これから3年、5年と戦える、戦闘力高めのフラッグシップThinkPadがほしい人には、強くお勧めできる1台といえる。



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