パソコンとモデム・ルーターの距離が離れていたり間に壁があったりすると、Wi-Fi の電波が遅くなります。とくに 5 GHz 帯の周波数は障害物を通りにくい性質があるため、ルーターの設置場所を変えるだけで速度が改善されるかもしれません。パソコンとルーターが別の部屋にある場合は、障害物を通り抜けやすい 2.4 GHz に変更するのもおすすめです。

ルーター設置のポイント
・部屋の隅や壁際に置かない
・窓際に置かない (電波が窓から逃げるため)
・壁、家電、金属、水まわりからできるだけ離して設置する
・床から 1~1.5 m の高さに設置する

上の策で速度が回復しない場合、使用中のネット回線やプロバイダーに障害が出ていないか確認しましょう。メンテナンスで一時的に利用できなくなっている場合もあります。

上ネット回線の容量には限りがあるので、アクセスが集中する時間帯 (特に夜) は、速度が大きく低下します。ネット回線のプランやオプションを変えると改善することがあるため、プロバイダーに相談してみましょう。

自宅のネット環境が原因の場合もあります。たとえば、無線 LAN ルーターがネックになっている場合です。この場合の原因と対策を以下にまとめます。

原因	主な対策
無線 LAN ルーターがパソコンから遠い	・無線 LAN ルーターの設置位置を変更する ・パソコンを使う位置を変更する ・リピーター (中継器) を導入する
無線 LAN ルーターがネット回線 (モデム) やパソコンのスペックと不釣り合い	・無線 LAN ルーターを買い替える

無線 LAN ルーターとモデムとの接続に有線 LAN を使っている場合はここが原因となっている可能性もあります。この場合の原因と対策は以下の通りです。

原因	主な対策
ケーブルのカテゴリが低すぎる (有線 LAN の通信速度に見合わないために速度がでない)	・ケーブルを買い替える
ケーブルが不良を起こしている (断線しているか、断線しかかっているため通信が不安定になる)	・ケーブルを買い替える
ルーター側の有線 LAN ポートの速度がモデムの有線 LAN ポートよりも遅い	・ケーブルを買い替える

家の「内」と「外」をつなぐモデムが原因の場合もあるでしょう。モデムは意外と複雑な機器で発熱量も多いため、高温になると自らを保護するために通信速度を落とします。

モデムの発熱が激しい場合は、涼しい場所に移したり冷却効率を上げるグッズを使ったりして、熱を逃がすようにしましょう。

通信速度が遅い原因がパソコン自体にあることもあります。OS やアプリをアップデートしているか、メモリの容量は十分であるかなど、複数の観点から問題を探りましょう。メモリ不足が疑われる場合は、パソコンのメモリ最大容量を確認して増設・交換するのが効果的です。

まれに、ルーターやモデムなどの配線や AC アダプターから発生するノイズが通信速度を低下させていることがあります。配線が雑然としている場合は、整頓するだけで速度が改善するかもしれません。

インターネット上の「スピードテストサイト」を使うと、自分のネット回線の速度がある程度わかります。Google で「スピードテスト」と検索して上位に表示される「インターネット速度テスト」で計測してみましょう。ただし、結果はあくまでも“参考値”となります。

通信速度が遅い場合は、高速通信対応のパソコンに買い替えるのもひとつの方法です。Lenovo では最新の Wi-Fi 6 や LTE 通信に対応するノートブックを取りそろえています。さらにカスタマイズで 5G を選択できるモバイル PC 「ThinkPad X1 Fold」も販売中です。