intel レノボ「Yoga Slim 750i Carbon」

レノボ「Yoga Slim 750i Carbon」 レノボ「Yoga Slim 750i Carbon」速攻レビュー!

2020年12月、レノボのコンシューマー向けプレミアムPCブランド「Yoga」シリーズから、13.3型モバイルノート「Yoga Slim 750i Carbon」が発売された。美しい「ムーンホワイト」の塗装が施されたカーボンファイバーをボディ素材に採用することで、1kgを切る軽さとすぐれた耐久性を実現。そのうえ、卓越したパフォーマンスを発揮する高性能ノートPCのみに与えられる「インテル® Evo™ プラットフォーム」認証を取得するなど、使い勝手や処理性能にも死角はない。ここでは、そんなプレミアムモデル「Yoga Slim 750i Carbon」をレビューしていこう。

美しい「ムーンホワイト」カラーの
カーボンファイバーにより、約966gの軽量ボディを実現

細部にまでこだわったスタイリッシュなボディに、最先端の装備や独自の機能を搭載したモデルとして人気を集める、レノボのプレミアムPCブランド「Yoga」シリーズ。2020年12月、このプレミアムブランドから、満を持して世に送り出されたのが、「ムーンホワイト」カラーのカーボンファイバーボディが美しい、13.3型モバイルノート「Yoga Slim 750i Carbon」だ。

Yoga Slim 750i Carbon

「Yoga」シリーズの最新モデルとして、2020年12月に発売された「Yoga Slim 750i Carbon」。製品ラインアップとしては、「第11世代インテル® Core™ i7-1165G7 プロセッサー」搭載の上位モデルと、「第11世代インテル® Core™ i5-1135G7 プロセッサー」搭載の下位モデルが用意されている

「Yoga Slim 750i Carbon」の大きな特徴は、その名の通り、ジェット機の機体などにも使われる東レのハイテク素材「カーボンファイバー」を天板に採用していることだ。カーボンファイバーは、軽量かつ強固な素材として知られているが、それを惜しみなく用いることで、レノボの13.3型モバイルノートとして初めて1kgを切る約966gの軽さを実現。それでいて、米国国防総省が定める調達基準のひとつである「MIL-STD-810G」規格に準拠したテストをクリアするほどの高い堅牢性も備えている。“軽さと高耐久”というモバイルノートに求められる重要な要素を、高次元で両立したのだ。

Yoga Slim 750i Carbon

天板に複層構造のカーボンファイバーを採用

天板に採用されたのは、レノボの従来モデルが採用していたカーボンファイバーよりも最大40%軽く、強度は25%高い「第2世代 ウェブコアカーボンファイバー」。このカーボンファイバーは、軽量なカーボンを堅く緻密なカーボンでサンドイッチする複層構造になっており、軽さと丈夫さを両立させている

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

天板にカーボンファイバーを採用した「Yoga Slim 750i Carbon」の重量を計ったところ、確かに1kgを切っていた。このように片手でも軽々と持ち運べる

Yoga Slim 750i Carbon

パームレストと底面には強固なマグネシウム合金を採用し、構造用リブで補強。米国国防総省が定めた「MIL-STD-810G」に準拠したテストをクリアするほどのすぐれた堅牢性を持っており、写真のように強くねじってもびくともしない。これなら、外出先にも安心して持ち出せる

「Yoga Slim 750i Carbon」は、ホワイトカラーの美しい塗装も魅力だ。光を当てるとかすかに輝くため、エレガントな雰囲気で、プレミアムモデルにふさわしい質の高さを感じる。カラー名は「ムーンホワイト」とのことだが、なるほど、そう名付けたくなるのもわかる、月のような幻想的な優美さだ。また、ボディの外装だけでなく、キーボードのキートップやACアダプターもホワイトカラーで統一されており、これまでの「Yoga」シリーズとはひと味違う、オシャレで個性的なモデルとなっている。

Yoga Slim 750i Carbon

一般的に、モバイルノートにはブラックやシルバーのカラーが採用されることが多いが、「Yoga Slim 750i Carbon」はその常識を覆し、エレガントな「ムーンホワイト」のカラーをまとっている。どことなく気品を感じさせる色合いなので、ビジネスシーンでも浮かず、プライベートでは所有欲を満足させられることだろう

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

天板には、3層構造のサーマルコーティングや防指紋ペイントが施されており、汚れや指紋が付きにくい。また、ACアダプターは約166gと軽量なうえ、カラーをホワイトで統一するなど、そのこだわりは細部まで行き届いている

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

液晶ディスプレイには、上下左右辺すべてのベゼルを狭くした「4辺狭額縁」を採用。見た目のスマートさを演出するとともに、ボディの小型化にも貢献している。本体サイズは約295.9(幅)×208.9(奥行)×14.25(厚さ)mmとなっており、フットプリント(接地面積)はA4用紙(297×210mm)とほぼ同じ。さらに、非常にスリムなため、書類などが詰まった小さなビジネスバッグにもスルリと収まった

Yoga Slim 750i Carbon

コンパクトなボディに50Whの大容量バッテリーを搭載し、最大約14時間の長時間駆動を実現。午前10時から午後7時まで9時間ほど、文章作成やYouTubeの視聴などを行ってみたが、バッテリー残量は約58%とまだまだ余裕があった。バッテリー残量がゼロの状態から約2時間でフル充電が可能な「急速充電モード」にも対応するので、いざというときに「バッテリーがピンチ!」という状態になっても素早く回復させることができる

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

外部インターフェイスは、USB Type-Cポート3基とマイク入力/ヘッドホン出力ポートのみと簡素だが、その中身がすごい。左側面のUSB Type-Cポート2基は、高速なデータ転送速度が可能な最新規格「Thunderbolt 4」に対応するうえ、外部映像出力とUSB Power Deliveryに対応。さらに、右側面のUSB Type-CポートはUSB 3.1(Gen 2)だが、こちらも外部映像出力とUSB Power Deliveryに対応しているので、どこかのポートだけに周辺機器などが偏って接続されるということもないだろう

モバイルノートでも納得のパフォーマンスを発揮する
最新CPU「第11世代インテル® Core プロセッサー」を搭載

プレミアム感ただよう美しいボディにふさわしい、すぐれた処理性能を備えているのも「Yoga Slim 750i Carbon」の大きな魅力だ。本機は、前世代のCPUと比較して約20%パフォーマンスが向上した最新CPU「第11世代インテル® Core™ プロセッサー」を搭載。そのうえ、インテルが定めるさまざまな厳しい要件を満たしたモデルにのみ与えられる「インテル® Evo™ プラットフォーム」認証も取得している。トップクラスの性能と使いやすさを持つノートPCであることが認められた製品でもあるのだ。
今回は、そんな「Yoga Slim 750i Carbon」の中から、「第11世代インテル® Core™ i7-1165G7 プロセッサー」(2.80GHz-最大4.70GHz)、8GBメモリー、NVMe接続の512GB SSDを搭載した上位モデルの「82EV003AJP」を使い、そのパフォーマンスをチェックしてみた。

CINEBENCH R20

CINEBENCH R20

PCMark 10

PCMark 10

搭載する「第11世代インテル® Core™ i7-1165G7 プロセッサー」の実力を確かめるべく、CPUの処理性能を測定するベンチマークプログラム「CINEBENCH R20」を実行したところ、マルチコアが「1951」、シングルコアが「571」の高スコアを記録。特にシングルコアはデスクトップ向けの「第10世代インテル® Core™ i7 プロセッサー」に匹敵する数値だ。また、パソコンの総合的な性能を測定する「PCMark 10」では、ハイエンドモデルの証明となる「5000」を超えるスコア「5034」をたたき出した

CrystalDiskMark 8.0.0

CrystalDiskMark 8.0.0

搭載されているSSDも高速だ。ストレージのデータ転送速度を測定する「CrystalDiskMark 8.0.0」では、シーケンシャルリード(Q8T1)において非常に高速な約3559MB/sをマーク。OSやアプリの起動はもちろん、ファイルのコピーなどでもストレスを感じる場面はないだろう

DirectX 11想定テスト「FIRE STRIKE」

DirectX 11想定テスト「FIRE STRIKE」

DirectX 12想定テスト「TIME SPY」

DirectX 12想定テスト「TIME SPY」

「第11世代インテル® Core™ プロセッサー」は、高性能なGPU「インテル® Iris® Xe Graphics」を内蔵する。ここでは、グラフィック性能が確認できるベンチマークプログラム「3D Mark」の中で、DirectX 11を想定したテスト「FIRE STRIKE」とDirectX 12を想定したテスト「TIME SPY」の2つを実行したが、どちらもモバイルノートのものとは思えないほどの高スコアとなった。スコア表にも、バトルロイヤルゲームの「Apex Legends」や「Fortnite」が35fps以上(フルHD/最高画質設定)で遊べると掲示されており、人気ゲームも十分にプレイできるグラフィック性能を備えていることがわかる

各ベンチマークプログラムですぐれた処理性能を発揮した「Yoga Slim 750i Carbon」だが、実際の作業ではどのようなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。動画エンコードソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」(別売)を使い、4分30秒の4K動画(約1.47GB)をフルHD解像度へと変換してみた。その結果、かかった時間は3分36秒。以前、同じテストを実施した「第10世代インテル® Core™ i7-1065G7 プロセッサー」搭載ノートPCでは4分32秒かかっていたので、エンコード時間は約20%短縮されていることがわかる。負荷のかかるクリエイティブ作業も効率よく行うことが可能だ。

Yoga Slim 750i Carbon

RAWファイル現像

RAWファイルの現像も実施。プロ御用達の現像ソフト「Capture One Pro 20」(別売)を使い、約2430万画素のRAWファイル67枚(約3.08GB)を現像(JPEG形式、最高画質)したところ、かかった時間はわずか約1分36秒。また、画像のプレビューは瞬時に表示され、レタッチ作業もサクサクと行えた

美しいWQXGA解像度の液晶ディスプレイを搭載。テレワークで役立つ独自の「Lenovo Smart Assist」も便利

「Yoga Slim 750i Carbon」は、使い勝手のよさでもプレミアムクラスだ。まず注目したいのは、液晶ディスプレイ。アスペクト比16:10の13.3型WQXGA(2560×1600)液晶ディスプレイを搭載しており、色域はWeb標準のsRGBを100%カバーしているうえ、動的なメタデータを活用した「Dolby Vision™」規格のHDR映像の表示にも対応。モバイルノートではあるが、高コントラストで明るく美しい映像を視聴できる。

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

高解像度なWQXGA(2560×1600)の液晶ディスプレイは、Web標準の色域であるsRGBを100%カバーしているため、発色も鮮やか。また、液晶ディスプレイが180°ぐらいまで開くので、商談時など複数人で画面を共有するときにも便利だ

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

本体底面の左右には、「Dolby Atmos」対応のステレオスピーカーを搭載。底面に設置されているため音がこもって聴こえるのではないかと思いきや、デスク面への反射をうまく使用したクリアなサウンドを届けてくれた。また、「Dolby Atmos」対応コンテンツを再生すると確かに頭の周りで音が動き回る印象があり、しっかりと臨場感を得ることができた

Yoga Slim 750i CarbonYoga Slim 750i Carbon

キーボードには、バックライトを搭載したアイソレーションタイプを採用。バックライトをAUTOに設定すると、暗い場所で本機を開くとバックライトが自動で点灯するので便利だ。また、人間工学に基づいて設計されているため、長時間のタイピングも快適に行うことができた。また、打鍵音があまりしないため、テレワークにおいて静かなカフェなどでタイプしても周囲の迷惑になりにくいだろう

このほか、IR(赤外線)センサーとToF(方向距離画像)センサーを備えた、Webカメラを活用した便利機能にも注目したい。プリインストールソフトの「Glance by Mirametrix」を使えば、画面から目をそらすと自動的に画面がぼける「スマートディスプレイ」や、画面に体が近づいて姿勢が悪くなるとアラートが出る「姿勢警告」、背後から画面をのぞき込んでいる人がいると画面上に警告を表示する「プライバシーアラート」といった機能を活用できる。また、独自の「Lenovo Smart Assist」と呼ばれる機能も採用。「Lenovo Smart Assist」には、オンライン会議の際にWebカメラに映る背景をぼかしてプライバシーを守る「背景ぼかし」や、パソコンの前から離れると自動的にパソコンをロック状態にする「画面オートロック」などが揃っている。外出先や自宅での安全なテレワークを高度な機能で支援してくれる。

Webカメラを活用した機能

左の動画が「スマートディスプレイ」「姿勢警告」「画面オートロック」を試したもので、右の動画が「プライバシーアラート」を検証したものだが、その精度の高さに驚かされる。「プライバシーアラート」では、他人がのぞき込むと自動的に画面がぼける「プライバシーガード」機能も含まれており、警告表示とともに画面に表示される大切な情報をしっかりとガードしてくれる

Yoga Slim 750i Carbon

Webカメラがとらえた映像の背景をぼかす設定は、ユーティリティソフト「Lenovo Vantage」から行える。このほか、Webカメラの明るさやコントラストなどの調節も可能だ

Webカメラを活用した機能

Windowsへのサインインが顔認証で行える「Yoga Slim 750i Carbon」は、スリープからの復帰時に電源ボタンを押す必要のない「ゼロタッチログイン」が可能。また、ディスプレイは片手で簡単に開けられるので、片手が埋まっているようなときでもスムーズにパソコンを使い始めることができる

モバイルノートの新しい基準を打ち立てる、
高い完成度が魅力

ここまで、レノボのコンシューマー向けノートPCのプレミアムブランド「Yoga」の最新モデル「Yoga Slim 750i Carbon」をレビューしてきたが、メーカーが満を持して世に送り出しただけあって、その完成度の高さには驚かされた。

特に、東レの最新カーボンファイバーを惜しみなく使用することで実現した約966gという軽さと、「MIL-STD-810G」準拠のテストをクリアする堅牢性の高さを両立したことは、特筆に値するだろう。また、「ムーンホワイト」カラーのボディは実にエレガントで、人とは違う個性を演出したいという人にもぴったりだ。さらに、「インテル® Evo™ プラットフォーム」認証を取得するほどのすぐれたパフォーマンスや、最新の動画コンテンツも存分に堪能できるエンターテインメント性能、テレワークにおいて便利な独自機能を備えるなど、非の打ちどころがない、高い完成度を実現していた。時代に合わせてパソコンにも大きな変革が求められている今、「Yoga Slim 750i Carbon」は、モバイルノートの新しい基準を打ち立てようとしているのかもしれない。

Intel、インテル、Intel ロゴ、Ultrabook、Celeron、Celeron Inside、Core Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、 Intel Core、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Intel vPro、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、 vPro Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Intel Optane は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation またはその子会社の商標です。