レノボHPCがドリームワークス・アニメーションのパフォーマンスの可能性を解き放つ

レノボHPCがドリームワークス・アニメーションのパフォーマンスの可能性を解き放つ

ドリームワークス・アニメーションは、ビジョンの実現に向けてLenovo Neptune™水冷システム搭載のHPC（High Performance Computing）クラスタをデータセンターに設置しました。設置に至るまで、レノボはCOVID-19による供給の途絶から、直前の配管変更に至るまで、さまざまな問題を解決してきました。

数々の印象に残る作品を手掛けてきたドリームワークス・アニメーション。HPCはアニメーション業界でコンテンツ制作プロセスの柱として重要な役割を果たしており、意欲的なビジョンを実現するために不可欠なものです。

2020年の初め、ドリームワークス・アニメーション社は、ある課題に直面していました。同社のデータセンターは22年前に設置したものであり、配置スペースおよび電力制約の問題がありました。CGアニメーション技術の最先端に立ち続けるためには、大規模なオーバーホールを行うことなく、同じ配置スペースで効率性を向上させる必要がありました。

ドリームワークス・アニメーション・キャンパス
提供：ドリームワークス・アニメーション

「同じ電力でよりパフォーマンスを向上させることが、これまで以上に重要な課題でした。レノボから水冷オプションの話を初めて聞いたとき、大規模な改装をしなくても、コア数を大きく増やせることに気づきました。」
ドリームワークス・アニメーションの技術者であり、プラットフォームおよびインフラ担当バイスプレジデントであるスコッティ・ミラー氏は、このように述べました。

Lenovo Neptune™水冷システムおよびのHPCクラスタを使用することにより、ドリームワークス・アニメーションは既存のデータセンター1平方フィートあたりに引き出せる電力を、100倍以上に増やすことができます。

ミーティングの早い段階で、レノボにはコンポーネントの準備から現場（オンサイト）での調節、設置後の調整まで、あらゆるニーズにおいてサポートするパートナーがいることが明らかになり、その過程の中でお互いに学びながら施行していくことが出来ました。

スコッティ・ミラー氏
提供：ドリームワークス・アニメーション

「レノボとのパートナーシップにおいて重要なことの1つは、レノボのエンジニアが実際の顧客と一緒にチャレンジしているイノベーションの実践者でもあることです。」ミラー氏はこのように述べています。

変化はワークフローの改善を後押しし、アーティストは新しい世界を想像するにあたり、よりインタラクティブな作業が可能になりました。ドリームワークスのレンダラ-、MoonRayは複数のマシンにまたがってコアを使用し、拡張することが出来るためパワーが大きくなるほど可能性が広がるのです。

スコットチャピン氏
提供：ドリームワークス・アニメーション

ドリームワークス・アニメーションの取締役兼システムエンジニアであるスコットチャピン氏は次のように述べています。「数分または数時間かかるようなレンダリングを、リアルタイムで目の当たりにするようになりました。」

ドリームワークス・アニメーションの施設管理者、配管工、さらには最初のデータセンターを構築したベンダーとも協力して、レノボは将来を見据えたビジョンを実現しました。
レノボのデータセンター電力および水冷サービス担当シニア主任コンサルタント／主任技術者であるジェロッドブテルボー氏は、このように述べています。「私たちは、常に議論のインターフェースとしてプロジェクトに参加するベンダーを管理しています。より高性能かつ低コストでソリューションを最適化するために、さまざまなベンダーを自由に選ぶことができます」。

提供：ドリームワークス・アニメーション

チームは、新しい冷却水循環装置（CDU）に至る最適な経路の設計から、建物の中心部に向けた計画の実施、新しい増築部分の建物管理システムへの統合まで、各ステップの問題を解決しました。

カスタムソリューションにおいて、細かすぎて対応できないということはありません。カスタムの耐震ハードウェアの設置からシステムの調整および水処理プロセスの監督まで、あらゆることに対処するために、ブテルボー氏は毎週キャンパスを訪れていました。彼は、配管工、電気工事士、コントラクター、エンジニアなどを兼務しています。

「彼は信じられないほど徹底していて、当社の設定を本当に正しく理解するまで何度も訪問してくれました。」
とチャピン氏は述べています。

（Lenovo Neptune™水冷システムは、既存の供給源の水を利用して、消費電力を3分の1に削減）

設置チームが水冷ホースをラックに対してどのように配置するのが最適なのか検討し、直前に計画が変更されました。ブテルボー氏は変更を当日になって知ったにも関わらず、わずか数時間で新しい計画に合わせてCDUの配管の向きを修正しました。
この深い理解があったからこそ、ブテルボー氏は直前での変更に巧みに応えることができたのです。

バラジアラハリ氏
提供：ドリームワークス・アニメーション

ドリームワークス・アニメーション　ストレージオペレーション・マネージャーであるバラジアラハリ氏は、次のように述べています。「彼らは知識豊富でとても効果的に仕事ができました。設置と試運転のため、1週間以上のスケジュールを策定しましたが、わずか1日半で仕事を完了しました。設置の速度と効率性にとても感心しました」

パンデミックは予期していなかった課題をもたらしました。しかし、新しい手順を刷新することにより、データセンターの能力を制限するルールを守りました。たとえば、ファームウェアの問題が表面化した際は、クラスタが稼働している状態で電源を交換するプロセスを開発し、ダウンタイムを排除しました。

立ち上げ開始から1週間以内に、新しいシステムは本格稼働しました。ドリームワークスは、スロットリングを軽減するLenovo Neptune™水冷テクノロジーのおかげで、従来と比較して性能が20％も向上しました。

「22年経過したデータセンターで、ラックあたり42キロワット近くの電力を引き出せるなんて素晴らしいです」とアラハリ氏は述べています。

それ以降、システムは火災などの試練も乗り越えました。9月に、地元の火災によりデータセンターが一時的に停止しました。驚くことに、電源が復旧したときにHPCサーバーは1台も故障していませんでした。

最終的にレノボのチームは、強力なテクノロジーだけにとどまらず、専門知識そして思いやりのある傾聴も提供しました。プロジェクトのミーティングが対面からオンラインへ移行しなければならなかったときでも、ドリームワークスのニーズに応え続けました。

ミラー氏はこのように述べています。
「私たちは大企業から大規模なシステムを購入したのにも関わらず、実際には個人としてしっかりと対応されていたことに、とても驚きました。私たちと一緒に仕事をしているのは、私たちの成功を願ってくれている人たちであり、個人としても、私たちを支援し、プロセスを本当にスムーズにしてくれたんです。」

「これから水冷システムの導入を検討している他の企業にアドバイスを求められたとしたら『新しいことや革新的なことに挑戦することを恐れないでください』と伝えたいです。レガシーデータセンターを導入している多くの場所では大きな変更を行うことに不安を感じていると思いますが、ただ単に効果があっただけでなく、パフォーマンスも大きく向上しました。レノボのチームがそれを実現してくれたのです。」

（この記事は、2021年1月28日に米国レノボで公開されたこちらの記事を翻訳・加筆したものです）