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スーパーコンピューターが変える
2030 年の気象予測
ワールドワイド・コミュニケーション・マネージャー、Hollyn Phelps (2019 年 12 月 17 日)
レノボは、過去 35 年間にわたりテクノロジーでイノベーションを達成してきました。一方で、未来にも目を向け、新しいテクノロジーやその可能性を探求しています。たとえば、インクルーシブな職場作りにおいてテクノロジーが担う役割、人工知能(AI)がヘルスケア業界や患者の体験に与える影響、スーパーコンピューターが気象予測に与える影響などです。
カテゴリ 4 レベルの強力なハリケーンが住んでいる地域に上陸するという警告が、上陸のわずか 24 時間前に出たとします。暴風、停電、大雨による被害が発生し、場合によっては人的被害が出るかもしれません。大急ぎで身を守り、どこか安全な場所に避難しなければならないでしょう。このように 24 時間前に警告が発令されたケースは、実際に 1954 年に起きています。
その後、幸いなことにテクノロジーは進化と向上を続け、それに伴って気象予測も進化しました。現在では、世界の多くの地域で 14 日先までの予測が可能になっています。
ハリケーン上陸の詳細画像
レノボのハイパフォーマンス・コンピューティングおよび人工知能部門のエグゼクティブ・ディレクター、Scott Tease は次のように指摘しています。「ここ 10 年間で気象予測の精度は大きく向上し、予測の期間も長くなりました。これは主に、利用できるコンピューティング・リソースが増えたことによるものです」
実は、ほとんどの気象予測の背後では世界最高レベルのスーパーコンピューターが活躍しているのです。
では、 現在そして未来の気象予測にスーパーコンピューターはどのように役立つのでしょうか。
その疑問に答える前に、まずはスーパーコンピューターとはどのようなもので、どのような仕組みで動いているのかを説明しましょう。
Tease は次のように説明しています。「スーパーコンピューターは複雑な問題を細分化し、数千個ものプロセッサーでの同時処理を実現します。一般的なコンピューターのように 1 つのシステムで 1 つずつ問題を処理するのではありません。並列処理が可能になることで、研究者や科学者がインサイトを得るまでの時間が格段に短くなります。ノート PC で処理したら数日から数週間かかるような問題を、スーパーコンピューターは数分から数時間で解いてしまうからです」
高速ラック・サーバーとスーパーコンピューターが多数収容されたデータ・センターのデジタル透視図
たとえてみると…
10 人の友達とスーパーマーケットに行って、1 台のカートに商品を詰め込み、レジの列に並んでいるとします。残念なことにレジは 1 台しか開いておらず、商品をスキャンする担当者は 1 人だけで、客の列はどんどん長くなっていきます。すると突然、他の 10 台のレジが開いたので、友達 10 人は持てるだけの商品を持って、それぞれが別々のレジへと向かいます。商品をスキャンして袋に入れ、支払いを終えるまで、ほんの数分の出来事でした。
並列処理でもこれと同じようなことが行われています。大きな仕事をたくさんの小さな仕事に分割し、複数のシステムで同時に処理できるようにすることで、1 つのシステムでは処理できないような問題も解くことができるのです。
スーパーコンピューターと気象予測の関係に話題を戻すと…
スーパーコンピューターの登場以前は、早期に津波警報を発令することはできず、研究者たちもハリケーンの経路や勢力を把握したり、気候変動のパターンを研究したりすることができませんでした。当時可能だったのは、いくつかの基本的な入力値に基づいて推測を行うことだけでした。変動の激しい変数を多数使用する複雑なモデルは実質的に不可能だったためです。
レノボの気象部門を率いる博士Zaphiris Christidisは次のように説明しています。「現在の気象予測には、大気に関する数学的な気象モデルが使用されています。そのモデルには、風や気温といった、さまざまな大気パラメーターの経時的な発達や状態、動きを表す式が含まれています。スーパーコンピューターは数値を使ってこれらの式を解き、大気の実際の動きをシミュレーションするのです」
しかし、こうした気象シミュレーションでは、気象衛星や気象観測気球、海洋ブイ、気象台のセンサーなどから膨大な初期データ・ポイントが取り込まれ、とてつもない量のデータが使用されます。つまり、現在の気象モデルの限界は、演算性能によって決まると言えます。
スーパーコンピューターの性能が上がれば、より複雑な気象モデルを使用して、より多くのデータ・ポイントを取り込むことが可能になり、より多くのシナリオに対応し、予測の精度を上げることができます。
Christidisは次のように付け加えています。「コンピューターによる演算は 1950 年代に始まりましたが、当時の気象予測の精度はひどいものでした。原因は演算能力が限られていたからです。たとえば、標準的なレノボ ThinkSystem サーバーを使って 15 分足らずで処理できてしまう気象モデルを 1960 年代のコンピューター・システムで処理したら、600 年近くかかるでしょう」
気象予測のデータおよびインサイトのダッシュボード・ビュー
スーパーコンピューターの性能向上が命を救う
明日、上着や傘が必要かどうかを判断することも重要かもしれませんが、気象予測にはそれをはるかに上回る重要な役割があります。それは、局地的に発生する深刻な気象現象のパターンを早期に警告することです。これは人命に直接関わるものであり、また自然災害の被害を最小限に抑えることにつながります。
レノボの人工知能事業を率いる Robert Daigle は次のように述べています。「深刻な気象現象を発生前に知ることができれば、必要な対応策を講じて被害を最小限に抑えることができます」
深刻な気象現象を発生前に知ることができれば、必要な対応策を講じて被害を最小限に 抑えることができます。
Daigle は次のように続けます。「気象予測の精度と早期警告システムの向上に関して言うと、局地的な気象現象を把握する上ではモデルの解像度が非常に重要になります。気象モデルの解像度を 2 倍にすると、コンピューター性能は 8 倍まで引き上げる必要があります。したがって演算能力向上が不可欠となるわけです」
Tease もレノボとマレーシア気象局 (MMD) の例を挙げて、同様の説明をしています。 マレーシア国民の安全と健康を守るため、MMD は休むことなく気象予測活動を続け、気象警報を適時発令しています。当時、MMD は 3km だった解像度を 1km まで向上させ、予測の期間も 3 日から 7 日まで延ばしたいと考えていましたが、これを実現するには演算能力を 27 倍に引き上げる必要がありました。
そこで レノボのスケーラブル・インフラストラクチャーを活用したところ、現在では 3 時間もかからずに、7 日間予測モデルを 1km の解像度で実行できるようになりました。
Tease は次のように説明しています。「気象モデルの解像度が向上したことで、MMD では局地的な気象現象のパターンを検出できるようになりました。対流性雷雨などはその例であり、これは大雨やあられ、強風、竜巻を伴うマレーシアで頻繁に発生する気象現象のパターンです」
今後 10 年の気象予測
Tease、Christidis、Daigle は、2030 年に向けて今後10年間に気象予測分野で 3 つの大きなトレンドが発生すると予測しています。
エクサスケール
エクサスケール・スーパーコンピューターは、より多くのデータ入力を使用する複雑なモデルを、きわめて高い解像度で実行する演算性能を誇ります。
まずは全体像で捉えてみましょう。現在最速のスーパーコンピューターは 200 ペタフロップスで動作します。その 5 倍以上の性能を持つスーパーコンピューターが世界中に数百台あったとしたら、どうなるか想像してみてください。
データの爆発
エクサスケール・スーパーコンピューターが現実のものになろうとしていることは歓迎すべきです。なぜなら、今後は大量のデータが発生すると見込まれており、それを私たちが処理しなければならないからです。 IDC の予測によると、2025 年までにグローバル・データスフィアは 175 ゼタバイト (ZB) に到達します。
175 ZB が どれだけ膨大な量かを説明すると、1 ZB は 1,000,000,000,000 GB (1 兆 GB) に相当します。そしてこの 175 ZB のデータをブルーレイ・ディスクに保存したとすると、ディスクの山が月にまで届く高さになります。
データの爆発をもたらす主な要因は、IoT センサーの増加です。この増加に伴いシミュレーションに取り込まれるセンサー・データの量も増え、気象予測に大きな影響があると考えられています。
人工知能(AI)
数値による気象予測の詳細度が上がれば、気象予測を示すバイナリ・データが気象モデルから大量に出力されることになります。この膨大なデータを気象予報士がまず解釈して、実際の予報が発表されます。ここでスーパーコンピューターと気象予報士との間のインターフェースとして AI を使用すれば、竜巻やハリケーン、暴風雨といった気象現象の認識や解釈に役立てることができます。
また、AI は気象予測の精度とスピードの向上にも大きく寄与します。将来的には高精度のシミュレーションに基づいて AI モデルを学習させることが可能となり、新着データを利用してリアルタイムで予測を調整することが可能になるでしょう。また、気候変動の社会的影響を最小限に抑える方法を模索していく上で、 AI が気候調査において果たす役割は非常に大きいと考えられます。
研究者や気象学者がこれらのトレンドを新たな要素として活用できる日が必ずやってきます。今後の実際の動向、そして新しいツールを活用して行われる発見に期待しましょう。