サイバー・セキュリティに不可欠なのは意識啓発と教育
2020 年 1 月 27 日

レノボの最高情報セキュリティ責任者が全米サイバー・セキュリティ連盟理事に就任
サイバー・セキュリティ上の脅威は、年を追うごとに警戒レベルが高まっています。WannaCry、KRACK、Petya、Spectre といった恐ろしげな名前の脅威は悩ましいほど頻繁に発生しています。また、ハッカーやサイバー犯罪者は、ターゲットにアクセスするために大量のボットネットやフィッシング・メールを使用し、ランサム・ウェア、ウイルス、サービス妨害 (DoS) など古い攻撃手段を新たな手口で活用しています。
サイバー・セキュリティ上の脅威はもはや手に負えないようにも見えますが、情報セキュリティのプロたちは、日々これに対抗しています。また、インターネット・セキュリティに関して官民の協力体制を強化し、一般市民のセキュリティ意識向上に取り組んでいる団体があります。それが全米サイバー・セキュリティ連盟 (National Cyber Security Alliance:NCSA) です。
NCSA は米国の代表的な非営利の官民パートナーシップであり、サイバー・セキュリティとプライバシーに関する教育と啓発活動を推進しています。全米の政府および業界関係者と連携しているほか、米国国土安全保障省のサイバー・セキュリティ・インフラストラクチャ・セキュリティ庁とも連携しています。レノボを含む多くのトップ企業が、サイバー脅威に対する人々の認識を高めてオンラインでの安全を強化するという NCSA のミッションをサポートしています。
サイバー・セキュリティの脅威は常に進化し続けます。そのため、新たな局面に対処するには、意識啓発と教育も継続的に進化させる必要があると、NCSA のエグゼクティブ・ディレクターである Kelvin Coleman 氏は語ります。
「政府機関や大企業には優秀な人材がいて、進化を続けるサイバー脅威について豊富な知識を持っていますが、小さな企業、ましてや個人のインターネット・ユーザーとなるとそうはいきません」と、Coleman 氏は言います。「オンラインでの活動を安全に保つためには意識啓発は必須ですし、教育も継続的に行う必要があります。私たちは政府や民間業界のパートナーたちと緊密に連携して、Web サイトやキャンペーン、そして教育プログラムの中で、最新かつ最善の情報を提供していきます」

Kelvin Coleman

NCSA エグゼクティブ・ディレクター、Kelvin Coleman 氏

NCSA の使命を達成するために、セキュリティに関連したさまざまな分野のエキスパートから支援を得られ、理事会に参加してもらえるということは、NCSA の大きな強みです。テクノロジー、金融、インターネット、セキュリティなど、多くの米国トップ企業を代表して、情報技術のエキスパートたちが理事会に参加しています。自社でサイバー・セキュリティの最前線にいる理事たちは、NCSA のスタッフが情報プログラムや周知活動を計画する際に重要なインサイトを提供しています。
先ごろ NCSA は、レノボの最高情報セキュリティ責任者であるJason Ruger を理事に選出しました。Rugerは 20 年以上にわたって、レノボ、Motorola、Google、Apple、Symantec でサイバー・セキュリティおよび ITに携わってきた経験があります。
Jason Ruger

Lenovo 最高情報セキュリティ責任者、Jason Ruger

Rugerは、世界最大級のコンピューター・メーカーであるレノボで、増え続けるサイバー攻撃からレノボのお客様の従業員と関係者を保護しながら、IoT や人工知能、5G を活用した新しい製品やサービスの実現に取り組んでいます。このように幅広いデバイスでセキュリティを提供してきた経験は、NCSA にとって非常に強みとなると Coleman 氏は述べています。
「Ruger 氏を理事に迎えられて非常に頼もしく思います。サイバー・セキュリティに関する彼の経験は、NCSA にとって強力な武器になります」と、Coleman 氏は語ります。「特に彼のレノボと Motorola での経験のおかげで、理事会ではデバイスのセキュリティを深く理解したうえでディスカッションができるようになりました」
NCSA は数多くのプログラムを実施しています。1 月 28 日の「データ・プライバシー・デー」のようなイベントもその 1 つです。その他の主要なプログラムとしては、小規模企業を対象とした「サイバーセキュア・マイ・ビジネス」や、毎年 10 月の「全米サイバー・セキュリティ意識向上月間」などがあります。意識向上月間には、オンラインの安全を守るために日常的な情報を提供するだけでなく、ニューヨークの NASDAQ でパネル・ディスカッションが行われる日もあります。
「NCSA の一員として、お客様と組織のサイバー・セキュリティ知識の向上に貢献できることを誇りに思います」と、Ruger は述べています。「新しいテクノロジーを安全に使う方法の教育が進めば、ユーザーが自分の専門分野でイノベーションを生み出しやすくなります。プライバシーに関する知識を向上させるという NCSA の取り組みにより、ユーザーは使用する技術サービスごとに、個人のプライバシーに関して最善の決定を下せるようになります」