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Women in Tech:23 年間のメンターシップから私が学んだこと

ws2019-headshot-fiona-obrien Fiona O’Brien (Lenovo EMEA オペレーションズ部門長兼チーフ・チャネル・オフィサー) 2019 年 11 月 6 日

私は自分のキャリアをスタートさせたとき、そのままテクノロジー業界でずっと働くことになるとは思っていませんでした。ビジネス・スクールを卒業して IBM に入社したのですが、何か明確な考えがあってテクノロジー業界に入ったわけではなかったので、これは 1 つの賭けでした。しかし意外にも、私はテクノロジー業界が与えてくれる可能性にすぐに気づき、いわゆる「優良企業」である会社での仕事に魅力を感じるようになり、刺激とバラエティに満ちた 23 年間を、これまで振り向くことなく過ごしてきました。
常に進化・変化し続ける IT 業界ではさまざまな役割で仕事ができるので、日々、刺激とやり甲斐を感じています。懸命に働く気持ちがあり、変化を受け入れることができ、さらにメンターや支援者がそばにいれば、IT 業界は成長と成功のチャンスを大いに与えてくれる場所となるでしょう。
メンターシップについては今年、私はリスボンで開催された Web Summit の「Women in Tech Mentor Program」に参加しました。レノボを代表し、同僚の Art Hu、John Gordon、Paul Walsh と共に参加できたことを嬉しく思います。このプログラムでは、女性参加者が経験豊かなプロフェッショナルとペアを組み、「成長」、「リード」、「変化」という 3 つの異なるポイントに重点を置いて IT 業界に関するアドバイスやガイダンスを受けます。

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今年の Web Summit で女性参加者に助言や指導を行うレノボの Fiona O’Brien。

多種多様なグループから才能豊かな女性が集まるなかで、私は自分のキャリアにおいてメンターシップが果たしてきた役割の大きさをあらためて認識しました。そこで、自分の経験から得られた知識や成果を以下にご紹介します。

次のポジションを見据える

幸運なことに、私は大きな成功を収めた何人ものメンターから指導を受け、長年にわたって時間を投資していただく経験をしました。最初に受けたとても貴重なアドバイスは決して忘れません。それは、「いつも次のポジションを見据えて、そのポジションに近づくために 1 週間に 1 つ以上のことをしなさい」というものです。

“いつも次のポジションを見据えて、
そのポジションに近づくために
1 週間に 1 つ以上のことをしなさい。”

キャリアの計画は、常に持ちましょう。厳密で具体的な計画ではなく、成し遂げたいことは何か、そしてそれをいつまでに成し遂げたいかの指針を定めるのです。それから、計画の達成に近づくために 1 つ以上、できれば 3 つのことを毎週必ず実行してください。日々の業務に追われるだけで終わってしまうのではなく、重要なことを優先して取り組むには、その方法しかありません。
たとえば、人脈を築く相手や、次の役割に必要なスキルに対し、現在の役割で実績を示せる点を考えます。さらに私は、すべての役割を楽しみながら情熱を注ぐようにしています。仕事に不満を持ったまま過ごすには、人生は短すぎるでしょう。

自分を信じる

私にとっての成功の鍵は、自分に自信を持つことです。望むものを手に入れるには、粘り強さが必要です。また、思考を麻痺させるような、自分自身への疑念を消し去る努力をしなければなりません。物事が計画通りに進まなくても、達成すべき成果を常に見据えて、「できるまで、できるふりをする」(Fake it till you make it)のです。
そうは言っても、周囲の人々の声に耳を傾け、そこから学ぶ必要はあります。どれほど経験が豊かでも、新しい見方から学ぶ機会は必ずあるでしょう。

“自分を信じれば、ほかの人もあなたを信じてくれ ます。望むものを手に入れるには、粘り強さが必要 です。また、思考を麻痺させるような、自分自身への疑念を消し去る努力をしなければなりません。”

助けを求める

人々は自宅と職場をスムーズに行き来し、それぞれの生活やビジネスをソーシャル・メディアで絶えず公開する時代となりましたが、すべてがうまくいく人はいないという真実は忘れられがちです。
私たちは誰でも何らかの助けが必要であり、成功を収めるためには上手に助けを求める能力が必要です。支援を求めるというのは、弱さではありません。できるだけ多くの成功者に話しかけ、その声に耳を傾け、学んでください。また、程度の差はあっても、他者の経験だけでなく、自分の経験から学べることもあるでしょう。さらに支援の手を差し伸べる心を持ち、後に続く人のお手本になるように努めてください。

考えを率直に話す

恐れずに自分の考えを率直に話しましょう。才能があるのに、自分の意見を示さないために見過ごされてしまう女性を私は数多く見てきました。自分の地位や立場に自信を持ち、意見を表明してください。どんなときも忘れないでください。自分を信じれば、ほかの人もあなたを信じてくれます。

“どんなときも忘れないでください。
自分を信じれば、
ほかの人もあなたを信じてくれます。”

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考えを率直に話し、職場で発言力を持つことが大切。
私は自分の来た道を振り返るたびに、将来のことや、今後のトレンドも意識します。テクノロジーの未来を見据え、私が今一番わくわくしているトレンドがあります。それは、世界が相互につながること、そしてそれを中心として、多様で包括的なカルチャーの構築が重視されることです。
私たちが生きる世界では今、かつてないほど相互のつながりが求められています。最近の研究では、2040 年までに 800 億ものデバイスが相互につながり (機械と機械) 、人とつながり (機械と人間)、人と人をつなぐ (人間と人間) と推定されています。これらのデバイスやテクノロジーがもたらす可能性は、計り知れないものとなるでしょう。それらが適切に運用されればなおのことです。


テクノロジーは万人のためのものであるべきだと思います。レノボは「Smarter Technology for All」(すべてのユーザーにスマートなテクノロジーを) というミッションとビジョンに誇りを持っています。多様で包括的なテクノロジーと革新的カルチャーを構築することが不可欠です。レノボでは、その 800 億のデバイスの設計、構築、トレーニングに貢献するすべての人を歓迎します。

今後も取り組みが必要

テクノロジーの分野で女性たちが実績を残していたり、業界全体に才能あふれる女性が数多く見られたりするのはすばらしいことです。それでも、女性はまだ対等な環境から程遠いところにいるため、今後も取り組みが必要です。単に多様性について語るところから、包括的な組織の設立に向けて、真剣に検討することに重点を移していくべきでしょう。
多様な人材に機会を提供することは 1 つのステップになりますが、そのさまざまな視点を活かし、実際に発言の機会を与えることはさらに困難な課題であり、社内カルチャーの変革が求められます。幸い、レノボでは多様性に富んだチームが検討を重ね、信念を行動に移すことで得られる成果の大きさがよく認識されています。それが、世界でのレノボの成功に大きく貢献してきたのです。

※本原稿はレノボ本社広報サイトの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
https://news.lenovo.com/women-in-tech-what-23-years-of-mentorship-taught-me/