文書作成や一般的な写真編集ではなく、より専門的なソフトの活用が主な用途です。たとえば CAD で設計図を作成したり、ビックデータ解析を行ったりといった作業が挙げられます。高度な動画編集や 3D グラフィックスを扱うゲームにも対応できるでしょう。クリエイティブに活動する人に適したパソコンともいえるのです。

「個人が家庭用に購入する」という目的よりも、業務での活用を優先したパソコンとして販売されています。個人購入が可能なモデルもありますが、基本的には法人向けと考えましょう。特に、高額なハイスペックモデルは企業での利用を前提に設計されています。

しかし、近年になって価格を抑えたワークステーションも登場しており、個人ユーザーでも手が届きやすい機種が増えました。テレワークにおいては Web 会議が必須となり、CPU と GPU の性能が求められます。業務向けとはいえ、普段使いのパソコンとして選択する余地はあるでしょう。

高速処理や大容量のストレージを必要とするワークステーションは、一般的なパソコンに比べて高いスペックになるよう構成されています。前途した CPU・GPU に加え、メモリのエラーをリアルタイムで補正する「ECC メモリ (Error Checking and Correction)」を採用した製品が多く、1 ビット単位でメモリエラーを検知・修正が可能です。これにより、エラーによるシャットダウンで長時間の作業が消失してしまうリスクを低減できます。

さらに、これらの高性能なパーツの発熱対策として電源パーツを強化しており、上位モデルになるほど熱を効率的に排出できるよう設計しているのです。長時間の作業を前提としている点は、ワークステーションならではの特徴といえます。

複数人が同時に作業を行う業務では「サーバー」としてパソコンを使うケースもあります。1 人で1 台のパソコンに向かうのではなく、複数人の機器と接続して利用できる仕組みです。通常よりも大きい負荷がかかるため、高耐久でハイスペックな性能を必要とします。