A person walking outside under UFOs holding a diploma and wearing a graduation cap and gown with tactical gear
教育

AI時代を生きる子供たちに求められているチカラ

現代社会において、ICT技術はすでに社会の隅々に浸透しつつあります。スマートフォン、パソコン、タブレット、クラウドなどが当たり前のように生活の中に存在し、触れるものすべてにICTやAI技術が使われている時代がもうすぐそこまで迫っていると感じる人も多いのではないでしょうか。こうした社会の変化は、子供たちにも大きな影響を及ぼし、家庭や学校での生活、そして教育は、今、急速な変化を遂げようとしています。

ICT・AI技術の発展で変化する、子供たちを取り巻く社会

 

現代の子供たちは、物心がついたときからインターネットやICT端末に親しんできた、いわゆるデジタルネイティブ世代です。彼らが生産人口の多くを占めるようになる近い未来を想像すると、そこにはさらに進化したデジタル社会の姿が見えてきます。目まぐるしく進歩するICT、AI技術を取り込み、AIが人類史上初めて人間より賢くなるシンギュラリティ(技術的特異点)を迎えるだろう未来。その時代を生き抜いていく子供たちには、新たなチカラ、そして教育が必要となってくるのです。

 

では、これからの子供たちに必要なチカラとはいったいどのようなものなのでしょうか。例えば2019年に発表された「「AI戦略2019」では、日本はそれを「数理・データサイエンス・AI」だとしています。つまり、古くから日本において子供たちの必要だとされてきた「読み、書き、そろばん」に代わるデジタル社会の必修教育は、「数理・データサイエンス・AI」であると定義したのです。

 

これを背景に、2024年度以降は、大学入学共通テストでも従来の教科に加えてプログラミングなどの内容を含む、「情報」が課されることが決定されました。確かに現代ものづくりに必須とされるプログラミングは職種として確立されており、子供たちが社会に出て役立つ教科であることは間違いありません。しかし、現代日本の教育現場は、こうした子供たちの「未来に生きるチカラ」を育てる体制が十分に整えられているのでしょうか。

2020年に10年ぶりに学習指導要領が改定されることを受けて進められてきた「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス感染症の流行により、端末の提供など「ICT環境の整備」は前倒しして進められたものの、肝心な「ソフトの充実」、「指導体制の強化」においてはまだまだ途中段階にあります。

 

コロナ禍で急務となったリモート授業の実施を経て、これら教育現場の課題は一気に顕在化しました。「まずはハードが必要、しかしそれだけでは不十分だ」と肌で感じた大人たちも多かったはず。大人たちの働き方も変化し、ニューノーマルな生活を余儀なくされたわけですが、子供たちの教育現場にもまた、新たなカタチに変化していかなくてはならないのです。

 

これからの教育現場に必要なモノを作り、提供する、Lenovoの教育支援

 

まだまだ発展途上にある日本の教育現場ですが、GIGAスクール構想および、高度なICT教育の実現にはいったいどのような意味があるのでしょうか。

 

例えば、国に先駆けて1人1台のICT端末を導入し、学校教育へのICT活用を行ってきた大妻中学高等学校(東京都千代田区)。同校は「これから社会を生き抜く生徒たちには、付加価値の高い仕事ができるようにICTスキルを身につけてほしい」との思いを持ってICT教育を推進してきました。しかし、ICT教育の実施が進むにつれ、これにより得られるのはICTスキルの向上だけではないことが分かりました。例えば生徒同士のコミュニケーションやプレゼンテーション能力の向上、また、生徒たちの興味関心の幅が大きく広がったことなどを教員たちは実感したのだといいます。

 

「生徒たちにとってICTは自分を高める道具だと思うのです」成島由美校長のこの言葉のとおり、ICT教育は、子供たちの個々の可能性を引き出し、未来を生き抜くチカラを授けることができるのです。

つまりひと言に「ICT教育」と言っても、それは「ICT機器を使うことができる人材を育てること」ではありません。子供たちにとって大切なのは、「ICTを使いこなし、自らの可能性を広げることのできる人、新たな発想を生み出せる人」になること。そのために、Lenovoはまず、優れた機能性とユーザビリティを兼ね備えた端末をつくり、ハード面での環境づくりを全面的に支援していきます。

 

また、まだまだ課題の多いソフト面については、まず、大学入試に導入される新教科である「情報」を優先度NO.1と捉え、教育ソフトの開発にも着手してきました。教育現場におけるソフトには、ハード面以上に優れた性能が必要です。分かりやすさ、使いやすさに加えて、将来的に活用できる実践に則したスキルの習得、考え方を身に着けること、また楽しさも重要になります。それをふまえてLenovoは、「子供たちが楽しみ、自ら学ぶことのできるICT教材をつくりたい」という思いのもと、ITC学習教材『みんなでプログラミング』を教科書会社の東京書籍が共同開発しました。(2021年9月より、小学校向けに提供していた無償版を大幅に拡張し、中学校、高校にも対応した有償版をスタート)この教材で学ぶことができるのは、プログラミングやデータサイエンス、デジタル活用など。機器やOSを選ばないブラウザベースでの利用が可能で、教育現場での負担をできるだけ軽減できる教材となっています。

 

変化する社会、進化するデジタル技術の中で、今後の教育現場ではプログラミングのほかにも、AI、CBT(Computer Based Testing)、情報モラル教育など様々な分野の教育が必要になっていくでしょう。それらに幅広く対応し、教育現場を力強くサポートしていくことが、私たちLenovoの役割です。

 

「テクノロジーでより良い教育を実現したい」。

その思いを軸に、未来を見据えた技術・開発力で、Lenovoはこれからも、未来を生きる子供たちに寄り添う「教育レノボリューション」を実現していきます。