A person walking outside under UFOs holding a diploma and wearing a graduation cap and gown with tactical gear
教育

ICTは現代のお裁縫

これからの社会にICTスキルは欠かせない。そう分かっていても、今までの学習スタイルを変えることはむずかしい。一人1台端末で生徒の学びは本当に変わるのか。女子校として100年以上の伝統を誇る、大妻中学高等学校が取り組むICT活用を紹介します。

未来を生きる女性を育てる

 

大妻中学高等学校(東京都千代田区)は、創立113年を迎えた伝統ある私立女子一貫校です。学祖である大妻コタカ氏の言葉「恥を知れ」を校訓に掲げ、「良き時代の要請に応える教育」を実践しています。

 

同校が一人1台端末を本格的に実施したのは、2018年のこと。当時の中学1年生から高校2年生までの全生徒を対象に、「Lenovo 2in1 タブレット IdeaPad Miix 320」を1250台導入してICT活用をスタートしました。

 

これについて成島由美校長は、「本校は、“良き家庭人であれ、良き職業人であれ”という学祖の教えのもと、お裁縫の学校として始まりました。それは、明治・大正時代の女性が生き抜くために必要な技術力がお裁縫だったからです。では、21世紀を生きる生徒たちにとっての“お裁縫”は何でしょう。たどり着いた答えが『語学』と『ICT』でした」と語ります。

 

大妻中学高等学校がその昔、付加価値の高い手芸品をつくる学校として知られたように、これから社会を生き抜く生徒たちには、付加価値の高い仕事ができるようにICTスキルを身につけてほしいというのです。

ICTで、学校と家庭、生徒と教員をつなぐ

 

現在は、一人1台端末を導入して4年目を迎えた大妻中学高等学校。教育機関向けクラウド「Google Workspace for Education」をメインで活用し、授業や家庭学習など学校生活全般でICTの利用が広がっています。

 

なかでも、日常的に使われているのが学習管理ツール「Google Classroom」です。教員ごと、教科ごとにクラスページを設け、その中に授業で使用した資料やスライド、プリントのデータなどを集約し、共有しています。各種連絡や提出もクラスルームやフォームを使っておこなっています。自宅のPCやスマートフォンからもアクセスが可能になり、学校と家庭、生徒と教員がシームレスにつながる学習環境を築いています。

 

またコロナ禍の休校期間には、オンライン授業も実施して学びを継続しました。家庭科や音楽科など実技を伴う教科でもICTを活用し、新たな学びに挑戦。浴衣の製作では、教員が縫い方を説明した動画をClassroomで共有し、生徒たちはそれを見ながら自宅で製作したり、完成物を写真に撮って提出したりしました。

 

本校情報科ICTコーディネータの加藤悦雄教諭は、「教員が作った動画や資料などの教材は、生徒たちが自分の端末でいつでも、どこでも見られるようになっています。学校での対面授業は一度きりですが、わからないことがあっても自分のペースで何度でも確認できる動画教材は、生徒にも、保護者にも好評です」と語り、ICTによって学びが変わってきていることを実感されています。

 

さらにコロナ禍の現在は、さまざまな地域から満員電車で通う生徒に考慮して、すべての教科でハイフレックス型授業も実施。授業終了後にクラスルームに授業動画をアップロードして、生徒たちが自宅で再確認できる環境を実現しました。ICTの活用は、生徒と保護者の安心にもつながっています。

生徒同士のコミュニケーションや能力の向上を実感

 

成島校長はICT活用を振り返り、「生徒同士の教え合い、学び合いの場面が確実に増えてきました」と言います。ICTを利用することで、生徒たちも“わからない”と言葉にしやすく、逆に自分の知っていることを教えてあげる生徒たちも多いそうです。自分の意見を発表する場面、他の生徒の意見を知る機会、グループで行う協働作業も増え、生徒同士が関わる場面が増えているようです。

 

例えば、部活の合宿や宿泊オリエンテーションでは、全員がタブレットPCを持参します。そこでの課題について、タブレットPCで自分の意見や考えをまとめ、グループディスカッションでは、お互いの画面を見せ合って話し合う光景が見られました。

 

また、2019年度に実施した海外研修視察では、アメリカのシアトルにあるマイクロソフト社やボーイング社、またシリコンバレーにあるIT企業や世界のトップ大学を訪問し、生徒たちがタブレットPCを使って英語でプレゼンを行いました。

 

「生徒たちがプレゼンのスライドをまとめ、英語で発表し、目で、音で、動きを組み合わせて、自分たちの言いたいことを伝える姿に感動しました。ICTがあるからこそ、世界でも通用する場に立てるし、一流の方からアドバイスももらえます。作文を読むだけの発表では、ここにはたどり着けず、生徒たちにとってICTは自分を高める道具だと思うのです」と、成島校長は述べています。

一人1台で拓く、無限の可能性

 

大妻中学高等学校では一人1台端末の活用をさらに高めるべく、2018年度からテクノロジー活用の最先端を知る企業担当者や、大学の研究者を特別講師として招いた先端講座出前授業をスタートしています。具体的にはプログラミング学習、AIやディープラーニング、プロジェクションマッピング、ドローン操縦など、生徒の視野を広げる学習にも取り組んでいます。

 

成島校長は「最先端を知る大学の先生や、テクノロジーで課題解決をする企業の方が特別講師として、生徒たちにリアルな未来を語ってくれることで、生徒たちはICTと自分の将来の親和性を感じることができます。それが、主体的に学ぶ姿につながっていると考えています」と語ってくれました。

 

技芸学校から始まり、伝統を継承しつつ、新しい学びやデジタルトランスフォーメーションに挑戦する大妻中学高等学校。生徒たちの未来や世界を広げる手段として今後もICTが活かされ、Lenovoも最適な学習環境を提供し続けます。

 

GIGAスクール構想とその先にある「GIGAハイスクール」の実現に向けて。子どもたちがICTで未来を切り拓けるように、Lenovoはデバイスとコンテンツの総合ソリューションで先進的な学習環境を提供するとともに、それを支えるICT担当教員もサポートします。それが、Lenovoの教育レノボリューションです。

 

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高い汎用性と薄型・軽量の手軽さで学びの質を高める。

1500台の大規模導入を実施した、伝統校がめざす教育の先。