A doctor examines CT scans in her office while having a virtual visit with a hospital patient via a Lenovo ThinkPad
医療

現代医療が抱える課題と その解決に不可欠なITソリューション

日進月歩で医療の高度化が進む一方で、いつ終わるとも知れない感染症のパンデミックが人類を脅かしているなか、日本の医療現場では、研究・診療・管理といった分野を問わず、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が求められています。なぜ、現代医療が抱える課題にDXは不可欠なのでしょうか。2つの総合病院の事例を紹介しながら、その導入メリットを考えていきます。

デジタルトランスフォーメーションが 医療現場の人材不足や過重労働、地域格差の解消をサポート

 

日本の医療業界が抱える「医療従事者の人材不足」「医療従事者の長時間労働」「診療体制の地域格差」といった課題。その解決策のひとつとして注目を集めているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。

 

例えば、電子カルテのリアルタイムな共有はスタッフ間の情報伝達をこれまで以上にスムーズにし、業務の効率化につながります。病院から離れた場所に暮らすお年寄りや一人暮らしの高齢者をオンラインで診療することができれば、医療体制の地域格差を減らすことも可能です。さらに、新型コロナウイルス感染症によって多くの人々が「感染」の怖さを知った今、自宅に居ながら医師の診察を受けることができるのは安心感につながります。オンライン診療で患者と直接会うことなく診察できれば、医師や看護師にとっても感染リスクを回避できたり、労働時間の短縮につながるなどメリットは大きいはずです。また、AIを活用した診断支援ツールは医師の診断の一助として、過重労働の削減にもつながる可能性があります。このように、DXの推進は医療関係者を長年悩ませてきた課題を解決するだけでなく、医療サービスの向上や医療レベルのさらなる向上へ向けた一歩としても不可欠と言っても過言ではないのです。

 

では、次に2つの総合病院の事例を紹介していきましょう。

 

乱立する電子カルテシステムのサーバーの基盤を統合し課題を一気に解決

 

ひとつは、2021年2月の病院移転に伴って電子カルテシステムを一新した、東京都大田区の「社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院」の事例です。

 

同院が以前の病院で使用していた旧電子カルテシステムのインフラは、各診療科や予約や会計などの業務ごとに導入されたサーバーで構築されていましたが、その運用と管理にかかる工数、サーバー室に占めるスペース、空調費用、5年ごとに発生するリプレースなどの負担が重く、それが悩みの種でした。そこで同院は、病院の移転を機にLenovoのHCI製品「ThinkAgile HXシリーズ」を導入し、個別のサーバー上で稼働するアプリケーションとデータを単一の仮想基盤上に統合することで、それまでサーバーの運用管理で抱えていた問題を解決することができました。さらに、老朽化したクライアントPCを全て「Lenovo ThinkPad」に統一。コロナ禍において、全てのサーバーとPCを入れ替えるための納入スケジュールを一元管理することができ、さらに導入後の保守窓口も一本化できたことで保守関連の業務が大幅にシンプルになり、業務効率を飛躍的に向上させることができました。

 

さらに、プロジェクトの円滑な運営のために、Lenovoのプロフェッショナルサービスも活用。Lenovoのコンサルタントとプロジェクトマネージャーの支援を受けながら、複雑なデータ移行などの技術面やスケジュール面でさまざまな困難に直面しながらも、無事にプロジェクトを成功に導きました。

 

結果、サーバーの台数とランニングコストを大幅に削減することができ、サーバー管理の作業効率化を改善できただけでなく、さらに将来を見据えた医療サービス向上に向けた拡張性のための基盤構築を実現しました。

増え続けるサーバー仮想化のニーズとリソース不足の問題を Lenovoのハイパーコンパージドで解決

 

2つ目は、東京都新宿区の「慶應義塾大学病院」の事例です。同院では、2012年1月から電子カルテシステムを稼働させ、約2500台の端末で利用。また、電子カルテシステムとは別に、臨床検査技術室や薬剤部、食養管理室など、さまざまな部内の業務に特化した部門システムが数十の規模で存在しています。そしてこれら部門システムのサーバーは、「仮想化できるものは可能な限り仮想化する」という方針のもとで物理基盤の集約化が図られてきました。具体的には、2012年から部門サーバーの仮想化に着手。おもにブレードサーバーを活用して、仮想化を段階的に進めてきました。VM数としては100台の規模に達しています。

 

ただ、こうしてサーバーの仮想化を進めるなかで、仮想化基盤の老朽化やキャパシティ不足の問題が出現。現状の仮想化基盤だけでは膨らみ続ける仮想化のニーズに対応できなくなると判断し、新たな基盤の導入を決めました。そして同院が導入したのが、「インテル® Xeon® プロセッサー」を搭載したLenovoのサーバーと「Nutanix」のソフトウェアを融合させたハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)「Lenovo ThinkAgile HX3310」でした。決め手となったのは、Lenovoのサーバーが、業界でも最高レベルの信頼性を獲得している点でした。同院では、2016年初から導入作業に着手。3月には基盤導入の作業を完了させ、2017年6月から実運用のフェーズに移行させました。

 

結果、ハードウェアの設置スペースをそれまでの仮想化基盤のおよそ2分の1に圧縮しながら、リソースの大幅な増強を実現。スモールスタートで利用することができる「HX3310」を採用することによって、初期導入コストの適正化を図ることもできました。

 

総合ソリューションでレボリューションを起こすそれが、Lenovoの「レノボリューション」

 

私たちの暮らしに欠かせない医療の現場でも、見えない所で変革は始まっています。医療の現場での電子カルテのリアルタイムな共有や遠隔医療なども、そうした病院のITインフラ改革の一例です。

 

私たちLenovoは、さまざまな課題に向き合う医療施設のIT担当者に寄り添い、先進の医療環境の構築を通して業務効率や信頼の向上に貢献します。多様なラインナップや導入支援、保守からリサイクルまで、私たちはレノボリューションで未来の医療業界をサポートします。