
くさの・たかふみ
1972年東京都生まれ。97年慶應大学大学院を卒業後、サン・マイクロシステムズに入社。99年退社後、大学院時代からの知人らとインターネットプロバイダーのベンチャー企業を創業。プロバイダー事業に従事するうちに、データ分析に特化した事業の起業を決意し、2004年3月、取引先のソフト会社の社長とエンジニアに、前職の同僚を加えた5人で、ブレインパッドを創設する。
ブレインパッドは、「Intelligence Integrater(インテリジェンス インテグレーター)」として、データ解析技術(データマイニング)により、マーケティングの効率化を支援し、クライアント企業の収益に貢献する、サービス・カンパニーです。
学生時代、社会に出たらサラリーマンになるという考え方が、僕にはどうもしっくりきませんでした。自分がやる仕事は会社から与えられるのではなくて、自分で考えたいという思いがあったのです。
とはいえ、当時は今ほどベンチャーが一般的ではなく、起業という選択肢にもリアリティがなかった。いろいろ迷っていた時に、たまたま雑誌でビル・ゲイツについての記事を読んだのです。衝撃的でしたね。30代半ばで成功していることだけでなく、自らが信じるコンセプトやアイデアを全世界に提示する彼の経営スタイルに感銘したのです。こういう起業をしたいと思いました。
まずは、起業家として意思決定できるだけの自信をつけよう。そう思って、大学院に行きながら記者をやったりして、何をしても食っていけるという自信を得ました。卒業後は、経験値を上げるためにいったん外資系IT企業に就職してから、大学時代の友人とインターネットプロバイダーを創業しました。ブレインパッドは2社目の起業になります。
ブレインパッドは、データマイニング技術によるデータ分析で、マーケティングの効率化を支援する会社です。企業の意思決定の精度を上げることで日本企業における頭脳労働者の生産性を上げ、世界の持続性向上にも貢献したいという思いから立ち上げました。

データマイニング技術自体が日本ではあまり普及していなかったこともあり周囲には起業を危ぶむ声もありましたが、僕自身は加速度的に増加する企業内データの分析ニーズの存在を確信していました。7年経ってちゃんと食べられているので、その判断は間違ってはいなかったと思っています。
この会社で重視したのは現場の人の力です。お客様の悩みや課題をお聞きした上で、その解決につながるデータ分析を提案するというブレインパッドの価値は、現場のスタッフからしか生まれません。彼ら一人一人が経験を積み能力を高めながら、お客様に貢献していくことの積み重ねで、ブレインパッドは成長してきたのです。まさに人がすべての会社です。
人がいなくなったらブレインパッドには何も残りません。だから、社員にはこの会社にいる意味をちゃんと提示しようと思っています。僕が思い描いているのは、コミュニティとしての会社です。一人一人の人生を支えるインフラとしての役割を担える会社にしたいのです。もちろんそれにはある程度の規模が必要です。ブレインパッド自体は成長を目的としてはいませんが、いましばらくは成長路線を続けて行くことになるでしょう。
「この世界は一人一人の小さな仕事の累積である」---ある本※の一節です。良い会社、良い社会、良い国をつくろうと思ったら、各人が手を抜かずに考え抜いて行動していくしかありません。より大きな価値をお客さまや社会に提供するために、ブレインパッドはこれからも真摯な仕事を積み重ねていきます。
※「自分の仕事をつくる」 西村佳哲著 (晶文社)
考えることは好きですね。オンタイム、オフタイムの区別なく仕事のことを考えています。一つのことを突き詰めて考えるというよりも、いろんなことを考えながら、行くべき方向性を探るといった思考法が得意です。経営者としては、方向性だけ間違わなければいいので、具体的にそれをどう実現していくかということは、優秀なスタッフにお任せしています。
社名も「考える」ことに関連した名前です。もともと「ブレインパッド」は僕個人の所有するドメイン名だったのですが、そのルーツはThinkPad。昔からThinkPadという名前が好きだったのです。考える=Thinkという言葉もいいし、Padという語感もいい。

でもそのままでは使えないので、ThinkをBrainに変えてドメインを取得したのです。創業メンバーと社名を考えていた席で「こういう名前があるけれど」と提案したら、「それいいね」ということで即決しました。
僕たちが、将来、どのような事業を展開しても、考えること、頭を使うことからは離れることはないでしょう。そういう意味で、なかなかいい社名だと思っています。
重要なのは、起業はあくまで手段だということ。自分の中にコンセプトや熱い思いがなければ、続きません。逆に言えばそれを忘れなければ、どんなに辛い状況でも意思決定に迷うことはないでしょう。
起業自体はすごく楽しい行為です。とくに創業期の混乱や葛藤は他では得られない体験なので、もし自分の中にテーマがあって、かつ機会があれば、ぜひトライされてはいかがでしょうか。
きっとより楽しい人生になると思います。

現在は、ThinkPad X200をお使いの草野社長。
ブレインパッドでは起業した時から、基本的に全社員ThinkPadで統一しています。僕らの仕事では、コンピュータは本当に大事なパートナーなので、安心して使えることが第一なのです。そういう意味では、ThinkPadは、堅牢性もバランスも徹底的に考えられていて安心できます。手を抜かずに考え抜かれた仕事の完成度を感じますね。

草野社長がお使いのThinkPad X200は、現在は後継モデルThinkPad X220/X220i(12.5型ワイド)として発売しております。
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